阿部巨人40勝1番乗り!首位奪取も注目集める 坂本勇人の”ポジション問題”とは

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坂本は開幕からサードを守ってきた(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 巨人は7月9日の広島戦(マツダ)に5−3と勝利し、5連勝。鬼門のマツダスタジアムでは今季初勝利、セ・リーグ40勝1番乗りも果たし、首位に浮上した。

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 主砲・岡本和真の1発が大きかった。1点を追う4回一死一、三塁の場面、相手先発、森下暢仁の外角高めに浮いたカットボールを捉え、右翼席に運んだ。逆転の15号3ランでチームを勢いづけると3−3と同点に追いつかれた8回にも勝ち越しの犠飛を決め、この日は4打点。リーグトップタイの15号、50打点は単独トップのリーグ2冠と勝負の夏場に調子を上げてきた。

 この活躍には3番に入るエリエ・ヘルナンデスの貢献も大きかった。

 1点を追う4回一死一塁の場面で森下のカットボールを右前に運びチャンスメイク。一死一、三塁の形を作り、岡本の逆転3ランに結びつけた。ヘルナンデスは8回にもヒットを放ち、その後の岡本の犠飛につなげるなど、しっかり役目を果たしている。

 ここにきて貯金も今季最多タイの5と勢いがついているのは、打線の形が見えていることにもある。1番の丸佳浩から吉川尚輝、クリーンアップはヘルナンデス、岡本、大城卓三と1番から5番までが安定したパフォーマンスを示していることで、勝ち星を着実に重ねている。

 そしてそんなチームにまもなく合流しそうなのがベテランの坂本勇人だ。現在打撃不振でファーム調整中の坂本は9日に行われたイースタン・オイシックス戦(ジャイアンツ球場)に「2番・DH」で先発出場。2打数無安打1四球ながら、実戦感覚を養った。

 阿部慎之助監督は早ければ、12日のDeNA戦(東京ドーム)からの合流を視野に入れる。

 チームの精神的な支柱ともいわれる坂本合流はチームを後押しする材料ともなりそうだが、一方で浮上するのは、ポジション、打順問題にもある。

 開幕からサードを守ってきたが、現在は「4番・サード」で先発する岡本が好調。坂本の一塁コンバート案も一部に浮上する中、現在一塁は、打撃好調な大城が先発している。7日のヤクルト戦で3号2ランを放つなど、大城も慣れない一塁守備の問題はありながら、持ち味の打撃で存在感を発揮している。7月は打率4割強、チーム課題であった5番打者の役割を果たしているとあって、そう簡単に外せなくなってきた。  

 また現在は1ー5番まで固定することでいい流れを生んでいる中、再び解体して坂本を組み込むのか、下位を打たせるのか。この点も注目を集めそうだ。

 いずれにせよ、これからの戦いが目指すペナント奪取のための正念場となる。指揮官の阿部監督がどんなタクトで打線の「最適解」を見出だしていくのか。今後の戦いも期待したい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]