リビング階段で家族の気配が伝わる家に。安全面はモデルハウスで事前にしっかり確認
家族のきずなを深めるリビング階段。子育て世帯に人気な一方で、小さな子どもがいる場合は、慎重に検討する必要があります。リビング階段を採用したライターが、5年暮らして感じたメリットと子どもの安全対策について、自身の経験をもとにレポート。なお家づくりの際は、モデルハウスをじっくり確認してプランを詰めました。
家族が自然とリビングに集まる家を建てたい
筆者は妻と子ども2人の4人家族です。2019年にハウスメーカーで、2階建ての延床面積30坪ほどの注文住宅を建てました。
家づくりでは、リビング階段を採用したいと考えていました。そうすれば家族が自然とリビングに集まり、コミュニケーションも増えると思ったからです。
さっそくSNSなどで情報収集を開始。そこで出会ったのが、大きな吹き抜けのリビングに、オープンな階段を採用した間取りです。明るく開放的な間取りに、夫婦とも心を奪われ、ぜひマイホームにも取り入れたいと考えました。
そして実現したのが、上の間取り。赤い枠で囲んだ吹き抜け部分に、リビング階段をつくりました。結果、想像していた以上に気持ちのいい、リビングになったと感じています。詳しく紹介しましょう。
階段と窓からの日差しで想像以上の開放感
階段の手すり部分のフレームには、半透明のポリカーボネイトがはめ込まれています。奥の壁がすけて見えて、軽やかな印象。圧迫感がありません。オープンなタイプを採用したことで、階段の部分のスペースも、リビングに取り込めて広々。なんだか、得した気分です(笑)。
吹き抜けの上部には、窓を設置。この窓から日差しが差し込み、昼間はとても明るいです。オープンなリビング階段と、この窓の効果で、休日はリビングでゆったりとした時間を過ごせています。
こちらは、リビング階段を正面から見たところです。ご覧のように、一般的な階段にはある「蹴込み板」がありません。
踏み板の間から視線が抜けるので軽やかな階段。写真奥のキッチンからも、子どもたちが2階に上がる姿が確認できます。
リビング階段は、LDKのどこにいても見える位置に
子育て世帯のわが家が、リビング階段の位置でこだわったことが2つあります。
1.階段を死角にしないこと
2.あえてLDKを通る動線を長くすること
じつはこのリビング階段、キッチンやダイニングで過ごしていても、よく見えます。さらに厚い腰壁や蹴込み板のない、オープンな階段にしたことで、死角になりません。
子どもが階段を上り下りする様子がわかることで、危ないなと感じたら、すぐ駆けつけることが可能です。
まだひとりで上り下りできないはずの子どもが、気づけば何段か階段を上っている…。実際わが家では、そんな場面もよくありました。もし、リビングではなく廊下や玄関にある間取りなら、すぐ駆けつけることは難しいでしょう。
このように、階段を目に入りやすい位置に設置することで、子どもにとっての階段事故の危険を、減らすことができていると感じています。
もうひとつの「LDKを通る動線を長くする」というのは、学齢に達したときのことを考えてのことです。
この位置なら、学校から帰ってきたときも、また、ランドセルを置いて遊びに行くときも、リビングだけでなく、キッチンの前も通ることになります。
自然に「おかえり!」「行ってきます」などと自然に会話も増えます。子どものちょっとした異変にも気づくはずです。
気がかりだった子どもの安全対策
家を建ったとき、息子はまだ1歳半。ひと目ぼれで決めたオープンなリビング階段とはいえ、安全面での不安がありました。
そこで、採用を決める前に以下の3点を、実物を見ながら確認しました。
・子どもが上り下りする様子がどれくらい見えるのか?
・階段や手すりの隙間のサイズはどのくらいか?(子どもがすり抜けたり転落したりする可能性はないか?)
・子どもにとって、手すりの位置や高さはつかみやすいかどうか?
わが家の場合、打ち合わせなどでよく訪れていたモデルハウスのリビング階段は、採用予定のものと違ったタイプでした。そこで、別のモデルハウスに案内してもらい、実物のチェックを行いました。
確認が終わったら、次は設置場所。幼い子どもの安全を考えると「ベビーゲートを設置できる場所」であることが、大事だと思ったからです。
上は、勝手に階段を上らないよう、リビングにベビーゲートを設置していたときの写真です。
現在7歳になる息子は、大人と同じように上り下りできています。友達が遊びに来ても、とくに危険を感じない年齢になりました。下の娘は3歳。もっと小さい頃は、上りたがっていましたが、今では勝手に階段に近づかなくなりました(親と一緒に上らないと危ないとわかっている)。ですから、ベビーゲートは撤去。
子どもがまだ幼い時期の家づくりでしたが、実物を確認し、設置場所も検討。危険な時期に1人では上れないよう工夫しました。
今はベビーゲートもなくなりすっきり。インテリアとしても映える、オープンなリビング階段を採用して満足しています。