湿気のこもる水回りは、とくにカビや汚れが発生しやすい場所でもあります。ジメジメした梅雨の時季でも快適な水回り環境を保つには、細部まで見落とさず掃除することが大切。日本ハウスクリーニング協会理事の高橋敬子さんに、浴室・洗面所・トイレのカビない掃除方法を教えてもらいました。

浴室掃除のポイント6つ

とくに湿気のこもりやすい「浴室」。カビや水アカ、ぬめりを撃退する掃除法を紹介します。

●<排水口のカビ>浴用洗剤で毎日掃除がベスト

ぬめりやすいため、浴用洗剤で毎日掃除するのが理想。

「ネットを替え、洗剤で洗い流しましょう。ゴミ受けのカビが落ちないときは、酸素系漂白剤を溶かしたお湯につけおきを」

●<天井のカビ>フロアワイパーで角まで念入りに

天井のカビは、浴室じゅうに広がることも。

「水ぶきでも表面のカビはとれます。ひどい場合は、酸素系漂白剤を溶かした湯でふきんを濡らして掃除を。入浴後の換気も忘れずに」

●<シャワーの水アカ>シャワーヘッドはつけおきで5〜10分放置

穴の回りの汚れやくもりはクエン酸が効果的。

「クエン酸を溶かした水につけおきを。汚れがひどい場合はクエン酸をじかにシャワーヘッドへまき、5〜10分放置してすすいで」

●<浴槽のぬめり>汚れやすい水位ラインはしっかりとみがいて

皮脂や石けんカスがつきやすい水位ラインは、ブラシやスポンジでしっかりみがいて汚れを落として。

「体をよく洗い流してから湯船に入り、入浴後はお湯をすぐ抜くことで汚れを予防できます」

●<床・壁のカビ>床は大きめのブラシでこする。壁は床上10cmを重点的に

凹凸のある床は、週1回はスポンジではなく大きなブラシを使って溝や目地の汚れを落として。

「壁は、床上10cmのところに水アカやぬめりがたまりやすいので、集中的にこすり洗いをしましょう」

●<バスグッズのぬめり>裏面のぬめりは流水でこすればOK。浮かす収納で予防も

イスやボトル類、収納棚の裏についたぬめりは、洗剤を使わなくても流水でこするだけできれいに。

「フックなどを活用した“浮かす収納”にし、ぬめりがつかないようにするのもおすすめです」

洗面所掃除のポイント2つ

洗面所では、普段目に届きにくい部分にも注意を払って掃除しましょう。

●<洗面ボウルのカビ>洗面台のつなぎ目に注意!蛇口の裏も忘れずに

洗面ボウルは、50℃のお湯100mlに酸素系漂白剤を大さじ1杯溶かした液をスポンジに含んで掃除を。

「水栓金具のつなぎ目も汚れやすいので、重点的にこすって。意外とカビがつく蛇口の裏側も注意」

●<換気扇のカビ>ほこりをとったあと、水洗いですっきり

換気扇はスイッチをきってから取扱説明書に従ってフタを外し、掃除機や水ぶきでほこりを落として。

「自分で取り外せるタイプなら、さらに水洗いをするとすっきり。意外と忘れがちなのでチェックを」

トイレ掃除のポイント

トイレには、細かい部分にも汚れやカビが潜んでいます。

●<トイレのカビ>見落としがちなフチ裏や温水洗浄便座までさっと掃除を

フチ裏や温水洗浄便座のノズルもしっかりと。

「フチ裏は一度尿石がつくととれにくいので、さっとでも毎日掃除がベスト。床や壁に飛びちった尿汚れによるにおいは、クエン酸スプレーが効果的」

※ 塩素系漂白剤など「混ぜるな危険」の表示がある場合は、酸やクエン酸などの酸性のものと混ざると有毒ガスが発生します。混ぜるのはもちろん酸性洗剤の直後に使うのも避けてください。塩素系や酸素系の漂白剤を使うときは表示に従い、必ずゴム手袋をはめ、換気扇を回しましょう。また、特集内で紹介している洗剤のなかには、建材や設備機器、家具によっては使用できないものが含まれている場合があります。建材や設備機器の取り扱い説明書、また洗剤の注意書きを確認してから使用してください。各種洗剤を使用する際はゴム手袋を、目より高い位置で塩素系漂白剤を使用する際はゴーグルを着用してください。