収納スペースにぴったり収まるシンデレラフィット。棚の幅や奥行と収納アイテムのサイズを合わせると、見た目がきれいになってうれしいですよね。「でも、あえて少しゆとりをもたせるほうが使いやすい気がするんです」と話すのは、整理収納コンサルタントの須藤昌子さん。ご自宅のパントリーを見せていただきながら、その理由を教えてもらいました。

棚にぎっしりの収納ボックス。じつは出し入れしにくい!

同じ収納アイテムを隙間なく並べると、統一感が生まれます。余分な出っ張りや凹みがないので、見た目が整って映えますよね。

【写真】この収納は苦しい

以前も須藤さんはスペースにぴったり合う収納アイテムを選ぶことが多かったそうです。

「隙間なく詰め込めばきれいだし、片づくし一石二鳥だと思っていました。でも、その光景に少しずつ窮屈さを感じるようになったのです。それはなぜか? スペースにゆとりがなく、手を入れにくい。隣のボックスに当たってしまい、結局ボックスを出し入れするのに手間がかかってしまうからです」

美しさと使いやすさは必ずしも一致しない。

そう気づいた須藤さんは、必ず収納にゆとりをもたせるように意識しているそうです。

ボックスの奥行きは、棚板が少し見えるくらいに

こちらは須藤さん宅のパントリー。棚にぎっしり収納ボックスが並べていた時期もありましたが、今はここまで余白のある状態です。

「義実家じまいに取り組むうち、ものはできるだけ少なくという思いがさらに強くなりました。収納ボックスの選び方、並べ方も変わっています。以前は棚板の奥行きにちょうど合うサイズを探していましたが、やはり使いやすいのは棚がしっかり見えるくらいのひと回り以上小さいボックスです」

サッと引き出せて、サッと戻せる。幅も奥行きも、ゆとりがあるほうが断然取り出しやすい! 大切なのは、シンデレラフィットにこだわることよりも使いやすさだと須藤さんは言います。

大きさの違うボックスを交ぜて単調に見せないのがコツ

須藤さんのようにゆとりをもたせて置いても、シンデレラフィットのよさ(見た目がきれいにそろっていること)をキープできるコツ。それは、ボックスの並べ方にあります。

「同じボックスを使いすぎないことです。ある棚は2個同じボックスを並べたらひとつは違う種類を選ぶなど、あえて統一感を崩すことですてきに見えると思っています」

棚一面にずらっと同じボックスが並んでると、まるでロッカーのよう…。

「単調に見えてしまうので、個性を出すという意味でもいろいろ並べて楽しんでいます。もちろんボックス選びや並べ方がメインではなくて、なにをどうやって入れれば使いやすいかが第一です」

「ぴったり合わせたいのに…」とシンデレラフィットに囚われすぎてモヤモヤしている人がいたら、一度それを崩してみるといいかもしれません。ぜひ参考にしてください。