計画不足での衝動買いや、じつはいらないものを買っているなどの、お金が貯まらない人に多い「買い物のクセ」。今回は家計改善コンサルタント・アドバイザーの高木瞳さんがたどり着いた、お金が貯まらない人の「買い物のクセ」を3つご紹介します。家計管理に役立つ節約術を身につけて、無駄な支出を減らしましょう。

お金が貯まらない「買い物のクセ」3つ

私はもう10年以上家計管理、節約に関しての発信をしていますが、昨今の物価高騰の影響で生徒さんやSNSなどのフォロワーさんからの「お金を貯めたいのに貯まらない」という、相談が急増しています。

悩みをもっている皆さんにじっくりお話を伺っていくと、以前の私にも当てはまる「買い物のクセ」があることが見えてきました。今回はそのクセを3つご紹介します。

●1:計画不足のまま買う

私もお金が貯まらなかった頃は、家計の計画も予算もあやふやなまま買い物をしていました。

単純に「欲しいもの」は我慢できても、「必要」と思うものは熟考せずに見きり発車で購入。さらに、そのときには現金も持ち合わせてないことが多く、「あとから考えよう」とクレジットカードを使用しては苦しくなっていました。

現在は、お店で即決せず一度持ち帰り、「今買って大丈夫か」「お金を貯めてからでは遅いのか? 家計や貯金への影響はどうなるのか?」など、きちんと計算してから購入するようにし、その結果家計が安定するようになりました。

●2:壊れる前に買い替える

家電など、以前は「壊れそう」と思ったら買い替えていました。たとえば洗濯機など毎日使うものが壊れたらたしかに困りますが、それでもまだ使えるのに捨ててしまうのは非常にもったいないことだと思います。

現在は、壊れる前から買い替え費用を少しずつ積み立て貯金しておき、壊れそうと思ったら商品を絞り込み、納品までの日数も調べておき、洗濯機なら使えない間のコインランドリー代も準備した上で、壊れるまで使うようにしています。

壊れた場合を想定して準備しておけば、いざ壊れても対応することが可能です。お金を貯めたいなら、やはり今あるものを大切に使い果たすことが重要だと気づきました。

●3:壊れたらすぐ買う

“壊れる前に買い替える”ことにも少し通じますが、以前は、今まで使っていたものが壊れると慌てて代わりのものを購入していました。

しかし、本当にお金に困っていた頃、炊飯器が壊れたとき「これは本当に今買うべきなのだろうか?」と疑問をもちました。そこで、「しばらくなしの生活を体験してみよう」と決め、8か月間圧力鍋でお米を炊き、少しずつお金を積み立てながら自分を観察。

と当初は「圧力鍋で炊くなんて面倒くさい」と思い込んでいましたが、この経験から目が覚める発見がたくさんありました。

・不便すら1週間程度で慣れてしまうこと
・なければないですむこと
・ないとダメだと思い込んでいたこと
・じつは家じゅうのいろんなものがなくても大丈夫なこと

それ以来、壊れたときは考え直すチャンスと思い、すぐに買い替えず自分を観察するようにしています。

しっかり検討した結果、必要ならばいったん中古でしのぎ、その間にお金を貯めて希望の品を買うこともできます。「壊れた=すぐ新品」以外の選択肢がないか、壊れる前に日頃から調べておくようにしています。

思い込みをやめたら見極めることができるようになった

お金が貯まらなかった頃は、「ないことに耐えられない」「持っていなければ」という思い込みがありました。

今までそろっていたものが欠けると一瞬不足感がありますが、本当に必要かどうかを見極めるいい機会でもあります。絶対に必要なものでなければお金の姿のまま貯金しておけばいい、また改めて必要と思えば買えばいい、と考えるようになってから計画的にお買い物できるようになりました。

なかなかお金が貯まらない、とお悩みの方は一度お買い物のときの思い込みがないか、見直してみていただければと思います。