謎の異臭騒ぎ再び…神奈川・横須賀で通報相次ぐ 2020年の異臭騒ぎではガソリンに含まれる物質が検出も原因不明

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神奈川県横須賀市周辺で4日午前、「ガス臭い」「異臭がする」などの書き込みがSNSで相次いだ。また横須賀市役所によると、「ガス臭いにおいがする」などの通報が9件寄せられたという。

通報があったのは、久里浜海岸や長瀬、野比、ハイランドなど広域にわたっているという。現場に消防車も1台派遣され、隊員もガスのような臭いを確認したが、ガス検知器では検出されなかったという。

体調不良者の連絡は入っていないが、横須賀市は神奈川県と連携し、サンプルの採取などを進めるとしている。

実際に異臭を嗅いだ人に話を聞くと、「ガス栓をひねったときの臭いがした」との事だった。

2020年にも、横須賀市や横浜市、逗子市など神奈川県各地で「ガス臭い」「生ゴミのような臭いがする」「魚が腐ったような臭いがする」などの通報が相次いだ。

このときは、横浜市消防局の職員が臭気のする空気を採取し、市の環境科学研究所で分析したところ、ガソリンなどの燃料の蒸発ガスなどに含まれるイソペンタンやペンタン、ブタンが通常の大気中よりも高い濃度で検出されたという。直ちに健康への影響はないとされた。

神奈川県のホームページによると、2020年度には異臭騒ぎの通報があった日数は19日、2021年度には4日、2022年度には1日、2023年度には0になっていた。

また異臭の原因については、「これまでの異臭の分析結果から、採取した大気を分析した日については『地殻変動』や『青潮』が異臭の原因である可能性は低いと推測されます」とした上で、神奈川県温泉地学研究所の「検出されているイソペンタン等の物質が、地殻変動に伴い発生するという知見は確認できておりません。また、地震の前兆として、異臭が発生するという科学的な根拠はありません」との見解も掲載している。

(※写真:久里浜港 資料映像)