家事や育児、仕事など、やることに追われる日々。それでも無理せずスムーズに暮らしをまわしている人には、共通点があります。自分の性分に合った「段取り」を考えて、自分で自分の機嫌を取りながら、効率的に家事を進めているのです。「やることが終わっていないのが苦手」な性分のHさんは夫と5歳の息子と3人暮らし。掃除、買い物、料理、献立づくりの段取りの方法を伺いました。

子どもにイライラしたくないから、段取りを組んで、やることを先に終わらせる

ルーティンを決めて動いたり、段取りを考えたりするのが、好きだというHさん。夜8時に夫が帰宅するまでは、息子とふたりで過ごすことが多いから、なるべく相手をしたいのだそうです。

【写真】ご飯を夕飯、朝食、お弁当用に取り分け

「子どもを産んでから、物事が時間どおりに進まないことばかりなので、家事はどんどん前倒しするようになりました。私は昔から、やることが終わってない状態がとても苦手です。家事が残っていると、むじゃきに話しかけてくる息子に対してイライラしちゃうし、そういう自分の性格はどうにもならなくて。だから日中、息子が園に行っている間にいかに進められるかが勝負なんです」

日々の料理も行き当たりばったりにはせずに、料理の前には買い物があり、買い物の前には献立決定があることを逆算。献立は、毎月、園のメニューとかぶらないようにしながら、1週間ごとに決めておくそう。

「買い出しに行くのは、週2回。買うものをスマートフォンにメモしてから家を出ます。予定していた献立を、その日になって変えることも、スーパーに行ってから食材を変えることもあるけれど、仮にでも決まっていたほうがゼロから考えるよりラク。また、余計な買い物をしないですむから、食材もお金もむだにならず、経済的です」。

予定どおりに家事が終わることが、いちばんのストレス解消

帰宅したら、その日に使う野菜を切ったり、洗ったりしておきます。さらに金曜日には、土日の分も食材を切っておくとか。

「夫が仕事なので、土日もワンオペでゆっくりキッチンには立てないんです。みそ汁にしたり炒めたりする野菜は、ほとんど切っておきます。そんなふうに土日の準備があるぶん、金曜日は夜ごはんをつくらない日と決めています。家族みんなが大好きな、近所のお弁当屋さんの日替わり弁当を食べるのが定番です」

日中は家業の手伝いもしながら、なにかしらの家事をしているというHさん。午前と午後に1時間ずつ、ひと休みをしています。

「そこまでのルーティンが順調に終わった状態で、録画していたドラマを見るのがささやかな楽しみです。いまは子育てが中心で、自分のための時間はあまり取れないけれど、そもそも自分の予定どおりに家事が終わること自体が、いちばんのストレス解消かも。自己満足できるから、これが私の幸せなんだと思います」

そこで、Hさんが実践する自分がイライラしないための段取りを4つ紹介します。

1:朝起きたら夜心地よく寝るために、寝室をリセット

ワンオペ子育てと家事をフル回転できるのは、睡眠を大事にしているから。「すぐ眠れる」

寝室づくりで一日を気持ちよく終わらせます。

(1) 朝起きたら、夫が息子の面倒を見ている間に、寝室を掃除。まず窓を開けて、部屋の空気を入れ換える。クローゼットの扉も開けて換気。

(2) かけ布団を窓辺ではたいてたたむ。シーツを整え、子どもの寝る位置にタオルを敷き直す。粘着カーペットクリーナーをかけてベッドメイキング終了。

(3) サイドテーブルやヘッドボード、窓の桟(さん)などにはたきをかけたら、掃除機をかける。ここまで所要時間5分で、すっきり眠れる寝室の完成。

2:買い出しをしたら、野菜を切って「あとはつくるだけ」に

今日使うものは、冷蔵庫にそのまましまいません。腰を下ろす前に段取りをしておけば、

夕飯づくりのハードルが下がります。

(1) 買い出しの食材はすき間時間にスマートフォンにメモ。食材は月曜日と木曜日にまとめ買い。子どもを園に送り届けたあとスーパーへ。

(2) 帰宅したら、食材をしまう前に、アルコールスプレーで冷蔵庫内をふき掃除し、冷蔵品をしまう。肉や魚はラップでくるみ冷凍。

(3) 今晩使う野菜はこの勢いで洗ったり、切ったりをすませ、すぐ調理できる状態にセット。

3:ごはんが炊けたら、「食べる状態」に分けておく

夕飯用、朝食用、お弁当用。すぐ使えるように取り分けたら、残りは冷凍に。

(1) 子どものお迎え前に、鍋でご飯を炊く。

(2) ご飯を炊いている間の15分で、朝干した洗濯物を取り込み、たたむ。

(3) ご飯が炊けたら夕飯用を器によそい、息子の朝食用は保存容器に。夫の朝食はおにぎりを職場に持参するので、それをにぎっておく(のりも用意)。残りのごはんは110gずつに分けて冷凍。

4:園の給食がわかったら献立を仮に決めて、毎日悩まない

「たとえ、その日に変えることがあっても、ゼロから考えるより、ずっとラク」。

(1) 月初めの園便りから、給食メニューを手帳に書き写す。愛用は「ほぼ日」の5年手帳。ダイニングテーブルの上が定位置。

(2) 給食のメニューと照らし合わせながら、レシピ本やテレビの料理番組を参考に、1週間分の夕飯献立を考える。レシピ本は、すぐ手に取れるようにパントリー内に収納。