温度と湿度が上がる梅雨どきは、ゴキブリやダニなども大増殖する季節です。イヤな害虫も、特性を知って対策すれば安心して暮らせます。今回は、生物飼育のエキスパート・アース製薬の有吉 立さんに、4つの虫の特徴と対策方法を教えてもらいました。最近話題のスーパートコジラミの対策にも注目です。

梅雨どきのジメジメは害虫にとって天国!

家の中で発生しやすい、ゴキブリやコバエ、ダニなどの害虫。 

「梅雨どきに室内の気温や湿度が上がってくると、害虫にとって居心地のいい環境に。さらに、エサとなる食べ物や水分、人間のフケやアカなどがたくさんあるとなれば、まさに天国です」と、アース製薬の有吉さん。 

人間にとっては些細な食べこぼしや水のふき残しが、害虫にとっては大ごちそうなんてことも!

「害虫が好むキッチンや浴室、寝室はとくに清潔に保ちましょう。また、市販の駆除剤も有効です。ナチュラル成分を使ったものもあるので、好みや用途に合わせて活用してみてください」 (有吉さん)

1:ゴキブリ 

気温25~28°Cで活発に活動。汚れた食器や食べこぼしを放置したり、冷蔵庫裏やコンロ下に食品が残ったりしていると発生しやすい。前にしか進めないので、殺虫剤は前方を狙って。

・大好物:なんでも 

・発生場所:暗くて狭くて暖かいところ 

・数:1匹いたら500匹に増えるかも 

・対策:食べカスは捨て、シンクの水滴はふきとる 

2:ダニ 

ヒョウヒダニ類は人のアカやフケが大好物。寝具は布団乾燥機を使ったあと、掃除機で吸うとアレルギー予防に。コナダニ類は小麦粉などの粉ものに湧くので、開封後は冷蔵庫へ。

・大好物:粉もの・アカ

・発生場所:粉もの周辺・人のアカが落ちているところ 

・数:1匹いたら3000匹いるかも 

・対策:部屋を清潔にし、室温を下げる 

3:コバエ 

ショウジョウバエ類やノミバエ類は、キッチンの生ゴミなどが発生源に。また、湿気が多く残った浴室にはチョウバエ類が発生。観葉植物に湧くクロバネキノコバエ類にも注意を。

・大好物:肉・フルーツ 

・発生場所:生ゴミがあるところ・観葉植物・排水口 

・数:1匹いたら数千匹に増えるかも 

・対策:生ゴミは水気をとり、袋に密閉! 観葉植物は土を入れ替える 

4:スーパートコジラミ

従来の殺虫剤に耐性をもつスーパートコジラミ。宿泊施設などを通じて家に持ち込むと駆除が大変。旅先ではベッドや壁のすき間に痕跡がないか確認し、見つけたら従業員に相談を。

・大好物:人の血

・発生場所:ベッドや壁などの隙間 

・数:1匹いたら500匹に増えるかも 

・対策:段ボールはすぐに捨てる。宿泊先にいないか確認する 

※ それぞれの害虫の数については、1匹のメスが生涯に生む卵の数をもとに算出。必ずすべての卵が成虫になるわけではありません