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「服はたくさんあるのに、毎朝着る服に迷ってしまう」というよくあるお悩み。ここでは、その原因と解決法を、50歳から本格的にミニマムな暮らしをスタートさせた、カナダ在住のミニマリストでブロガーの筆子さん(現在60代)に教えてもらいました。

※記事の初出は2023年7 月。年齢を含め内容は執筆時の状況です。

1:服の数が多すぎる

十分すぎるほど衣類はあるのに、出かける前に「着るものがない」と途方にくれる… 20代の頃の私もそうでした。こんな気持になる理由とこの問題を解決する方法をお伝えします。

手持ちの服が多すぎるとぱっと見てなにがあるのかわからないので、本当は着るものがあっても、「着るものがない」と思ってしまいます。冷蔵庫に残りものがたくさんあると、奥のほうに入れた1週間前のおかずが見えず、その存在を忘れてしまうのと同じです。

数が多いと、タンスやクローゼットの中に整然と並べておくことができず、ごちゃごちゃになりがち。目当てのものがどこにあるのかわからないし、見つかったとしても、取り出すのが一苦労です。

また、似たような服がたくさんあると、どれを着ようか迷ってしまい、その日着る服をさっと選べないので、服はあるのに、「着るものがない」と思います。

この問題を解決する方法は簡単です。手持ちの服を少し減らして、何があるか目視しやすい状態にすればいいのです。

以下の服は優先的に手放してください。

・もう着ることはない服
・めったに着ない服
・よく似ている服(用途が同じ服は、数着にしぼる)
・サイズが合わない服
・しみや汚れ、ほつれなどがある服

2:数回しか着ない服を買っている

流行しているから、セールだから、特定のイベントで着るから。こんな理由で服を買っていると、クローゼットの中は、1回使えばおしまいになる服や、用途が限定された服であふれます。継続的に長期に渡って着られる服がないのです。

ひとつひとつはすてきな服でも、ほかの服に合わせることが難しいので、「着る服がない」と感じてしまいます。こんなときは、1回しか着られない服ではなく、意識して、何回でも着られる定番として使える服を購入しましょう。

その場の思いつきで服を買うのではなく、計画的に買い物をします。

3:今の自分とワードローブがマッチしていない

ワードローブを自分の生活に合わせてアップデートさせていない可能性もあります。

今着る服より、若い頃好きで着ていた服や、かつてオフィスに勤めていた頃愛用していたスーツが多かったり、車通勤に変えて、分厚いコートは着なくなったのに、電車通勤時代に使っていたコートを相変わらず持ち続けていたり。

年齢を重ねて好みや似合う服が変わることもあるし、生活環境が変わって、必要な服が変わることもあります。

私は若い頃から、カジュアルな服が好きでしたが、37歳になる直前にカナダに来てからますますカジュアルな格好をするようになりました。終始在宅で仕事をしているから、改まったときに着る服も必要ありません。

このような変化を無視して、昔の自分仕様の服をたくさんもっていると、着るものがないと感じます。この場合は、今の自分の生活に合わない服を手放してください。衣類は、「思い出の品」でも「記念品」でもありません。実用的なワードローブをつくるようにしましょう。

4.着たい服が不明確

どんな服を着たいのかわかっていないと、どれだけ服があっても、「今、着る服がない」と感じます。

これまで自分が着たい服より、周囲から期待されている(と自分が感じている)服装を選んでいたとか、好きな服よりも、皆に、「すてきね」と言ってもらえそうな服を買っていたなら、これからは、自分が好きな服を買って着るようにしましょう。

日本は、年齢に対するプレッシャーが多い社会なので、本当は着たい服があるのに、「私の年には合わないかも。もっと年相応にしておこう」と、諦めることがあるかもしれません。自分の好きなブランドの服がSNSで叩かれることが多いから、という理由で着用をためらっていたブログの読者もいました。

こんなふうにして、自分の好みを抑えつけていると「自分じゃないだれかが着る服」ばかりが増えていきます。

本当に好きな服を着る生活を始めれば、クローゼットの中も、ちゃんと着る服が並ぶようになりますよ。自分のスタイルを見極めるためにも、(1)で書いたように、着ない服はどんどん手放してください。

以上、「着る服がない」問題を解決する方法をお伝えしました。いくら服がたくさんあっても、着ない服ばかりがそろっていたら、着る服がないと思ってしまいます。

とりあえず、ほとんど着ない服は全部手放してはどうでしょうか? 手放しているうちに、自分の好みや、よくない買い方に気がつくので、次第に、まともに機能するワードローブになっていくでしょう。