京都の古い町家で夫、娘、息子と暮らす40代の美濃羽まゆみさん。洋裁作家・手づくり暮らし研究家として活躍しています。ここでは、裁縫が苦手でも、ミシンを持っていなくてもできる手づくりアイテム「はぎれのブローチ」をご紹介。いつものファッションにプラスして楽しむのもおすすめですよ。

シャツや帽子につけて、おしゃれを楽しめるブローチ

美濃羽さんもよくつくるというはぎれを活用したブローチは、大きな布をわざわざ手に入れる必要もなく、手縫いでさっと気軽につくれます。ほんの小さなブローチだから、とっておきの色柄のはぎれを活用したり、ダメージのあるハンカチをカットして使ったり、ちょっとの布があれば大丈夫。

「今回はまるいブローチを紹介しますが、基本のつくり方さえ覚えてしまえば、好きな形にアレンジできます。三角形や四角形、楕円形にビーンズ形…。何枚かのはぎれを組み合わせてつくっても面白いですよ」(美濃羽まゆみさん、以下同)

「ひととおりリフォームされていた町家に引っ越してきたので、台所にも手を入れず、そのまま使ってきました。初めのころは独立型のキッチンに憧れたりもしましたが、使ってみると案外ゆったりしていて、掃除もラク。16年たった今では、すっかりなじみました」(美濃羽まゆみさん、以下同)

いろいろな見せ方ができるブローチなら、つくったあとの楽しみも広がります。コートの胸元につけたり、シャツの襟元につけたり、服だけでなく帽子やバッグのワンポイントにするなど、使い方はそのときどきのお好みで。

形や色柄違いで、いくつあってもうれしい手縫いブローチ。楽しい手づくりの一歩、さあ一緒に始めてみませんか。

●まるいブローチ

【材料】

はぎれ 2枚(各5×5cm程度) 厚紙 2枚(各5×5cm程度) ブローチピン 1個 手芸用綿 布用ボンド 糸

【使う道具】

紙切りバサミ 裁ちバサミ 糸切りバサミ 紙コップと鉛筆 クリップ 4個ほど 目打ち

【つくり方】

(1) 型紙をつくる。1枚の厚紙に紙コップの底をあてて円を描き、直径約5cmのまるい形に紙切りバサミで切る。もう1枚の厚紙はひとまわり小さく切る。

(2) 2枚のはぎれをそれぞれ型紙より1cmくらい大きくなるように、まるい形に裁ちバサミで裁つ。

(3) 大きいほうの布の端から3mmくらい内側に、細かいなみ縫いをする。

(4) 1周したら針をつけたまま(3)の裏面に手芸用綿を適量入れ、大きいほうの厚紙をのせる。

(5) 糸を引っ張って厚紙を包むように縫いしろを縮め、玉止めをする。

(6) 小さいほうの布の表面の中心より少し上に、ブローチピンを縫いつける。

(7) (3)と同じように(6)の布の端から3mmくらい内側を細かいなみ縫いで1周したら、裏面に厚紙をのせて(手芸用綿は入れない)、糸を引っ張って厚紙を包むように縫いしろを縮め、玉止めをする。

(8) それぞれの縫いしろの内側に薄くボンドを塗る。

(9) 2つを貼り合わせてクリップで留め、5分ほど固定しておく。シワが寄ったり糸が出ていたら、目打ちなどで押し込んで整える。