とちぎテレビ

関東信越国税局は1日、相続税や贈与税の基準となる2024年分の土地の評価額「路線価」を公表しました。路線価は、全国の国税局が毎年1月1日時点で建物の敷地となる宅地や田畑、山林などを対象に道路の面する土地の評価額を算出しているもので、栃木県内ではおよそ4800地点で調査が行われました。

県内で最高価格となったのは宇都宮市宮みらいの「宇都宮駅東口駅前ロータリー」です。1平方メートルあたりの評価基準額は33万円で3.1%の上昇、2020年以降、5年連続で上昇しています。

(栃木県不動産鑑定士協会・鈴木健司会長)

「宇都宮で特筆すべきところはLRTが開通した駅東地区。ここはマンション需要が非常に強く、マンションがだいぶ建設された。また背後の住宅地に関しても、総額で高い取引が続いている」

また、関東信越国税局管内の税務署別の最高路線価は1位は大宮で529万円、2位以下は浦和で、川口8位まで埼玉県内が続き、10位に北関東では最高位の高崎で46万円、13位に宇都宮と土浦(つくば市)が入りました。

県内8つの税務署では、前の年から最高価格が上昇したのは宇都宮の他、佐野(浅沼町 佐野古河線・4万7千円)です。栃木(小山市駅東通り1丁目 市道25号線・12万5千円)、氏家(高根沢町宝石台3丁目 宇都宮那須烏山線・4万8千円)、真岡(大谷本町 市道238号線・3万5千円)は横ばい、足利(朝倉町 国道293号線・5万8千円)、大田原(那須塩原市大原間西 那須塩原駅西口ロータリー・4万9千円)、鹿沼(西茂呂2丁目 鹿沼駅西通り・4万2千円)は下落しました。

(栃木県不動産鑑定士協会・鈴木健司会長)

「県内の全体の地価は基本的に上昇傾向。ただ過疎部は相変わらず下落傾向。需要が強いのは宇都宮、下野、小山などJR宇都宮線の沿線」

そして市町村がそれぞれの土地の適正な時価を評価する際の基準となる宅地、標準宅地の評価額の平均値は、関東信越国税局管内全体で前の年と比べて+0.8%と2年連続で上昇しました。一方、栃木県ではマイナス0.2%の下落幅で2010年から15年連続の下落となりました。

(栃木県不動産鑑定士協会・鈴木会長)

「JR宇都宮駅西口に関しては再開発がこれからどんどん進んでいく予定。そうすると駅東のように高層ビルが立ち、また更なる賑わいを創出する」「低金利の環境が続くことを前提に利便性の高い住宅地は上昇傾向が続く。円安や物価上昇等の懸念はあるが全国的に地価は回復傾向で栃木県も同様と予測する」