ランドリールームと衣類をしまうクローゼットを短い動線でつなぐと、洗濯家事がラクな家を実現できます。2年前に延床面積37坪の平屋の家を建てた日刊住まいライターは、0歩で洗濯から室内干しが完了する家事室を採用。加えて、5歩で移動できる家族のウォークスルークローゼットをつくりました。おかげで、週末のまとめ洗い&乾燥を快適にこなせています。

新しい家では毎日の洗濯家事をラクにしたい!

筆者は夫と2人の子ども(小学生の双子)の4人家族。2年前に、寒さがきつい賃貸マンションから、延床面積37坪の平屋の注文住宅に引っ越しました。

家づくりでこだわったのは、ラクに生活できる間取りにすること。家の管理のしやすさ、効率的な家事動線を意識しました。

なかでもとくにこだわってつくったのが、家事室(写真)の工夫と洗濯動線です。筆者にとって、苦手No.1家事は洗濯。子どもの成長とともに、洗濯物の量も増える一方です。ですから、毎日の洗濯を少しでもラクにしたいと思いました。

では、さっそく劇的に洗濯家事がラクになった、わが家の間取りと工夫したことを紹介します。

動線を最短にして作業もカット。かさばるカゴも不要に!

ストレスなく毎日洗濯するためには、とにかく動線を最短に。そのため実現したかったことがあります。それは、家事室(ランドリールーム)で、「洗濯物をカゴに移し、干す場所へ移動するという作業」をなくすこと。

筆者は、洗濯機から直接干せるように、真上に洗濯ワイヤーを設置しました。たったワンステップの削減でも、大きなメリットです。

この洗濯ワイヤーは、ハンガーやピンチなどの置き場を兼ねているので、必要なものがすぐにそろいます。移動がないので(0歩!)、持ち運びにカゴを使わなくともOK。使わないときになにかとジャマになるカゴをもたずともよい、というのはうれしいです。

乾いた洗濯物をしまうのは、5歩先の廊下に設けたウォークスルークローゼット(ファミリークローゼット)。

上の写真は、家事室にある洗濯機の前から、ウォークスルークローゼットを見たところです。すぐ近くにあるので、1歩も歩かないで衣装ケースめがけて投げ込むことも…(内緒です)。

完全独立なので洗面や浴室使用中も乾燥できる!

洗濯を苦にしないため、とにかくため込まないことを意識しています。そのため、天気に左右されず、自分のペースで洗濯できる環境は助かります。

室内干しでもしっかり乾燥させるため、除湿器も活用。

ドア3枚を閉めきって除湿器をつければ、数時間でカラカラに乾きます。乾燥と同時に洗濯もできるので、週末のまとめ洗い&乾燥も可能です。

本音を言えば、ドラム式洗濯機や浴室乾燥機に憧れています。しかし、予算には限りがありました。それに、除湿器なら壊れたときの取り換えが容易です。というわけでこの方式は、わが家がとれる最善を選択でした。

間取りに関しては、家事室を脱衣スペースや洗面所と、完全に分離できるようにしました。このプランにして、とてもよかったと思っています。お風呂や洗面所を使う家族がいても、洗濯乾燥には影響しません。

勝手口の外にある物干し場にはサブ洗濯機を設置

家事室には、洗面所を経由してウォークスルークローゼットに行ける動線とは別に、もう1つ動線があります。それは、最短距離でキッチンとの行き来ができる動線です。このキッチンの先には勝手口があります。

天気がよければ、この勝手口を出てすぐの場所にある、外の物干し場で洗濯物を干します。10歩で移動し、人工芝を敷いた物干し場に、靴下のままで降りちゃいます(笑)。

この動線も便利。洗濯物を干すときも、取り込むときも苦になりません。

外の物干し場には、買換え前の洗濯機をサブ機として設置しました。家の中の洗濯機で洗うのに抵抗があるもの(クルマのマットや泥汚れの予洗い)に使用しています。

唯一の不満、洗濯物が滑る問題はチューブを巻いて解決

洗濯をラクにすることを考え抜いたので、間取りに不満はありません。ただし、洗濯ワイヤーはよく考えて選ぶべきだったと後悔しています。

筆者は、天井に設置する「ハンガーバー」を希望していました。ですが、長身の夫にとって、常に天井からぶら下がるバーの存在はうっとうしいらしく…。不要なときに収納できる壁づけの洗濯ワイヤーに。

ワイヤー設置には下地入りの壁が必要です。ところが、3方向ドアのため制約が多く、ワイヤーの1本が水平につけられず斜めに。ワイヤーが斜めだと、洗濯物が滑るため間隔をあけて干せません。

水平に設置できたワイヤーも、ゆるむと斜めワイヤーと同じ状況に陥ります。ワイヤーの長さを生かしきれないのは、狭いランドリールームでは死活問題。

とはいえ、壁に穴をあけて設置したので、新しくつけ替えるのは、どうしても抵抗があります。数十本あるハンガーを滑り止めつきに買い替えるのも大げさな気が…。そこで、ワイヤーに、滑りにくくなるよう工夫しました。

まずは、ホームセンターでシリコンチューブを購入。

洗濯ワイヤーの先端の白い部分(壁への設置部分)は、取り外せません。そこで、シリコンチューブを切り開いて、ワイヤーに巻きつけました。

切り込みは一直線ではなく、スパイラルチューブを意識してクルクル回転させて入れました。これでハンガーをかけても、巻いたチューブが外れず大成功です。

想定していた以上に、洗濯物が滑りにくくなりました。日々試行錯誤してきた筆者は、とても満足。ですが、不要なときに収納できなくなったので、夫は不満かもしれません。