加齢とともに目立ってくる白髪。ヘアカラー代が高くついたり、忙しさから美容院に行けなかったりして、常にきれいに染めているのは難しい場合も。そこで、白髪をぼかすハイライトや頭皮ケアで、白髪と前向きにつき合っていきましょう。テルイタカヒロさん、余慶尚美さん、鈴木真奈さん、工藤あきさんに「白髪の活用法と予防法」を聞きました。

白髪が消えた!?おしゃれ度も上がる「白髪ぼかし」

最近耳にすることが増えた「白髪ぼかし」は、「筋状にハイライトを入れ、白髪と地毛の色の差をぼかすカラーリング」だそう。教えてくれたのは、えがお美容室のディレクター・テルイタカヒロさんです。

「3つのトーンがミックスされることで今ある白髪だけでなく、これから伸びてくる白髪も目立ちにくくなりますし、おしゃれ度がアップするというメリットも。オーダーのポイントを押さえれば、初めての方でも理想のヘアに仕上がりますよ」

白髪ぼかしにはハイライトを入れつつ地毛を染める方法と、地毛を染めずにハイライトを入れる方法があり、1色で染める白髪染めより、立体的で動きのあるスタイルに仕上がります。

ESSE読者が白髪ぼかしに挑戦!

今回は、黒木裕美さん(仮名・45歳)が白髪ぼかしに挑戦。

仕事や育児で忙しく、こまめに美容室に行けないため白髪染めを断念しているそう。

「分け目を変えたりして白髪を隠していますが、鏡を見ては落ち込む毎日です」

【ステップ1】オーダーする

「白髪ぼかし」は、美容師さんとのコミュニケーションがなにより大事。“なりたい自分”をしっかり伝えましょう。

●オーダーのポイント

1.ハイライトの要望を伝える

白髪を隠したいと言うだけでは、全体をワントーンで染められてしまう場合も。「美容師さんには『ハイライトを入れて白髪をぼかしたい』と伝えることが大切」

2.参考画像を見せる

ハイライトは筋の太さや入れる分量などによって仕上がりが大きく変わります。「仕上がりにズレが出ないよう、希望の画像を見せてイメージの共有を」

3.カラーの履歴をきちんと話す

過去に使っていたカラーリング剤によっては、髪が染まりにくいケースが。「ヘナカラーやホームカラーを含め、カラー履歴は細かく正直に伝えましょう」

【ステップ2】カラーリング

筋状に入れるハイライトこそ、「白髪ぼかし」のキモ。白髪が伸びてきたときのストレスもグンと減るはず。

髪を筋状に取ってハイライトを入れたら、全体をカラーリング。

「ハイライトは14トーンのベージュを3mm幅に。髪全体には9トーンのブラウンのカラー剤を使用しています」

【ステップ3】スタイリング

白髪は黒髪よりもパサついて見えるもの。乾かす段階でしっかりツヤを出し、イキイキとした印象に仕上げます。

「根元を乾かしたら、手ぐしで髪を引っぱりながら乾かすとツヤがアップ」。

分け目は逆側に引っぱりながら乾かすと、ボリュームが出て白髪が伸びても目立ちにくくなります。

ハイライトで華やかな印象に変身!

上品なハイライトで白髪が目立ちにくく若々しさがアップ!

「『白髪はどこ?』と思うくらい、存在感が消えてびっくり! 品よく華やかな髪色で気分も上がります。これならおしゃれを楽しみながら、白髪とつき合っていけそう」(黒木さん)

白髪ぼかしQ&A

「白髪ぼかし」に対する素朴な疑問に、白髪ぼかしマイスター・テルイさんが答えてくれました。

●Q:いくらくらいかかる?

A:カット&カラー+3000〜4000円くらいのイメージで

髪を染める&すでに染めている場合は、カットやカラー料金+3000〜4000円程度。「髪を染めていない人はハイライトを多く入れる必要があるため、カット+9000円〜を目安に」

●Q:どれくらいの頻度でメンテナンスが必要?

A:1か月半〜2か月は気にならないはず。ハイライトはそれ以降に

1か月半〜2か月後も白髪は目立ちませんが、伸びてきた黒髪と染めた髪色の境目が目立ってくるため、カラーのリタッチを。「ハイライトは4か月に1回程度でもOKです」

今日からマネして!頭皮にいいデイリーケア

抜け毛や薄毛、白髪など髪のトラブルはつきないもの。「髪の健康には頭皮ケアが大事」とわかっていても、なにから始めればいいのか悩んでしまいます。

そこで51歳とは思えない美髪のもち主で、毛髪診断士の余慶尚美さんに、自宅でできる効果的な頭皮ケアについて伺いました。

今日から始めるほんのひと工夫が、5年後、10年後も白髪、抜け毛、薄毛に悩まない髪への投資になります。

【ステップ1】シャンプー

・シャンプー前に必ず予洗いを1〜2分

髪の長さにもよりますが、シャンプー前は1〜2分かけてたっぷり予洗いを。お湯で洗うだけで頭皮の8割の汚れが落ち、次に使うシャンプーの泡立ちがよくなります。

・頭皮でしっかり泡立てる

洗うのは髪ではなく頭皮。シャンプーは根元を中心に前中央と左右、後頭部の生え際と内側に置きます。

シャンプーを置いたら、指先で空気を含ませながら泡立てます。しっかり泡立ってきたら指の腹を使って頭皮をマッサージするように洗います。

オールインワンタイプのシャンプーを使っている人は(2)を飛ばして(3)へ

【ステップ2】コンディショナー

毛先を中心にムラなくなじませる

タオルで水気を軽くふき取ったら、傷みやすい毛先を中心になじませます。地肌についたコンディショナーは、きちんとすすいでおかないと頭皮環境の悪化につながる可能性も。

【違いってなに?】

・コンディショナー
別名リンス。髪の上にとどまり、表面をなめらかにする役割が。

・トリートメント
内部のダメージを修復。つけたあと数分おいて浸透させるとよい。

【ステップ3】ドライヤー

後頭部の内側から! 風は上から下に

吸収性のいいタオルで水気をふき取ったら、ドライヤーを後頭部内側→側頭部→前と当て、地肌を中心に乾かします。風は上から下に当てるとキューティクルが整ってツヤツヤに。

紫外線や摩擦を避け、髪を守るのが大事

「髪のツヤは若々しさの象徴です」と断言するのは、毛髪診断士でもある、ヘアパーツモデルの鈴木真奈さん。お子さんが小さい頃は、ヘアケアは二の次でダメージもあったそう。そこから、毛髪診断士の資格を取得し、「守り」を意識した毎日のケアで、40代でもツヤのある美髪をキープしています。

ここでは、鈴木さんが毎朝行っている美髪ルーティンをご紹介。エイジングケア治療にも力を注ぐ医師、工藤あきさんの解説コメントつきです。

美髪モデルが365日続ける、ツボ押しルーティン

鈴木さんが毎日行う、朝の美髪ルーティンを一部紹介します。

頭頂部は血流を送り出す筋肉がないので血流が悪くなりがち。

「逆立ちをし、5回呼吸をします。さらに、頭皮用ローションをつけるタイミングで抜け毛や白髪予防のツボを押しています」 (鈴木さん)

【百会(ひゃくえ)】

両耳を結んだ線と頭頂部中央が交わる位置の、少しへこんだ部分にあるツボ。指の腹で押圧します。

【角孫(かくそん)】

耳のいちばんとがった位置の、生え際にあるツボ。手で耳を包むようにして中指の腹で押します。

【風池(ふうち)】

首後ろの生え際、うなじの筋肉の脇のへこみにあるツボ。頭を手で抱え、親指を当てて押圧します。

<医師の工藤あき先生の解説コメント>

マッサージで血流をよくすることで、摂取した栄養を体のすみずみまで行き渡らせることができます。さらに、頭皮にある毛根細胞の代謝がよくなる効果が期待できます。