掃除をあと回しにすると、ホコリやカビが増えてしまって、余計やる気がなくなる…という悪循環に陥りがちです。そんな負のループを避けるには、ものを減らして「掃除がすぐ終わる環境」を整えることが大切。50代で夫婦ふたり暮らしのミニマリスト・本多めぐさんが普段から実践している「ラク掃除」のコツをまとめました。

掃除機がけをラクにするなら「床にものを置かない」

私はなるべく掃除をしたくないズボラ人間です。面倒でも掃除は避けて通れませんから、できるだけラクになるように工夫しています。

まず、床にものを置かないことがポイントです。たとえば冷蔵庫やソファなどの大きな家具があれば、その部分を迂回しなければなりません。またイスやゴミ箱などの動かせるものは、わざわざ一回よけて、戻す作業が発生します。

なので、ものを減らすのが床掃除をラクにするいちばんのコツです。難しい場合は、つるす収納などを活用してみましょう。

キャスターつきの家具を取り入れてサッと動かせるようにしておくのも手です。わが家ではスチールラックはキャスターつきにして動かしやすくしています。

そのほかのコツとしては、狭い場所でも、掃除器のヘッドが入るスペースをつくっておくことです。ベッドを置くときに、壁にべったりくっつけずにすき間をあけておくと、日々の掃除がラクでホコリがたまりにくくなりました。

家具の高さも大事。床から大体10cm以上の高さがある家具を選ぶと、下に掃除機のヘッドが入るため、大型家具を動かさなくても掃除ができます。

ふき掃除は「平らな面」を増やしてラクにする

つぎに、ふき掃除をラクにする工夫を紹介します。

まずは床と同じで、ふき掃除の邪魔にならないように、なるべくものを置かないことが大事です。家具をまったく置かないわけにはいきませんが、収納して「平らな面」を多くすることで、ものをよけて掃除する手間を省くことができます。

特別な洗剤などを使わなくても、日々の掃除は簡単に水ぶきでよいと思っています。またはホコリ取りでササっとなでるだけでOK。毎日ルーティンで、テーブルの上、机の上、テレビ台、電子レンジなどを一日一回掃除すると決めると、なにも考えずに手を動かせるのでラクです。

洗剤類はカゴに入れてまとめる

掃除するのに道具を出すのが大変だとやりたくなくなるので、掃除機はよくいる場所の近くに置きます。収納スペースに入れたほうが見た目はすっきりしますが、そうすると出すのが面倒になるので、部屋の隅に置いています。

また、掃除用洗剤や道具もカゴに入れてまとめておき、いつでも1ステップで取りかかれるようにしています。

3つの工夫でお風呂掃除の苦痛を和らげる

私は若い頃からお風呂掃除がいちばん面倒に感じていました。窓掃除や玄関の掃除などはやらなくても生きていけますが、風呂場は汚れるので絶対に掃除しなければならないんですよね。

ずっと面倒と思いつつも必要にかられてたまに掃除していたのですが、やっと工夫を重ねて楽しく掃除をする仕組みができました。

浴室内のものを徹底的に減らす

ひとつめの工夫は「浴室内のものを徹底的に減らすこと」。わが家で浴室に置いてあるものは「イス、洗面器、シャンプー、ボディソープ、ボディタオル、風呂のフタ、掃除用具数点」だけ。

リンスやトリートメントはありません。夫婦ともにショートヘアのため、シャンプーで洗うだけ。ロングヘアは長いとキシキシしますがショートヘアだと気にならないです。

家族が多いと、各自お気に入りのシャンプーやヘアケア剤を置いて浴室にものが増えるという話も聞きますね。しかしわが家はその点夫婦ふたりだけで、こだわりもない。同じシャンプー1本ですませています。
本当だったら風呂のフタも減らしたいですが、夫婦で入浴時間がずれているので冷めないために必須。必要なものは減らしません。

また、置くものが少ないため、シャンプーなどを置く浴室用ラックは手放しました。ラックがあると、洗う手間が発生します。ものが少なければラックを手放しても困らず、掃除もラクになりいいことづくめです。

直置きを減らし、カビが生えにくい仕組みづくりをする

掃除用具はつるす収納にしています。
洗剤は取っ手部分を引っかけて、スポンジや掃除用ブラシはフックがついたものを使い、すべてつるす収納に。

また、風呂のイスは浴槽の上、洗面器は風呂のフタの上に置き、カビの温床にならないようにしています。

唯一直置きしているのは、シャンプーとボディソープのみ。これだけなので、入浴時に体や頭を洗うついでにチャチャッと裏側を手でこすって終わりです。

「聞く読書」をしながら楽しく掃除する

ものを減らし掃除をラクにしたところで、最後の仕上げとしてスマホを使って掃除中に「聞く読書」をします。読みたかった本を聞く「楽しみ」と、風呂掃除を一緒にできるため、面倒な掃除が楽しい時間に変わるのです。

耳で聞くコンテンツで有名なのは、本を読み上げるオーディオブック。音声アプリのVoicyやポッドキャストなどもあります。音楽を聴くのが好きな人は、音楽を楽しみながら掃除するのもいいですね。

アラフィフ夫婦は、収集日の朝にがんばらない

家事の中で、意外と面倒なのが「ゴミ出し」。まずゴミ袋を買って準備し、ゴミを各部屋から集め、指定の袋に詰め、指定日の朝にゴミステーションに持っていく…という、じつは工程数が多い家事です。
しかし、「作業を分けるとラクになる」と気づきました。

わが家の場合、各部屋のゴミ箱の中身がいっぱいになったら、そのタイミングで大きな指定ゴミ袋に入れておきます。なので、当日の朝に「がんばってすべての部屋を回る」ということがなくなります。

ちなみに家の中の各部屋のゴミ箱を撤去して、ゴミが出るたびにメインのゴミ箱まで各自持ってきてもらって手間を省くというアイデアもありますが、わが家では採用しませんでした。アラフィフになってから、疲れやすく動きたくない日が増えたためです。そのため、病気で起きられないときも想定した、無理のない仕組みにしています。

同じ大きさのゴミ袋を底に敷いておく

替えのゴミ袋の準備というのは、名もなき家事のひとつだと思います。その面倒な作業について、わざわざゴミ袋を取りに行ったり考えなくてもすむように、ゴミ箱の底に袋ごと入れておくことに。

また、ゴミ袋も「このお店でこのサイズ」と決めておくと、買物のときに迷わずにすみます。夫や子どもに「ゴミ袋買ってきて」と頼むときも、サイズやブランドを教えなくていいのでラクちんですよ。わが家はダイソーの「手さげポリ袋」と決めています。

帰宅に立ったまま処理する習慣をつくる

私が住むマンションでは、1階の郵便受けに大きなゴミ箱が設置されており、チラシやフリーペーパーはそこで捨てられるようになっています。おかげで不要なチラシ類を家に入れずにすんでいます。
そうでない方は、家に入れた時点でキッチンカウンターやテーブルなどに置かず、すぐ処理するようにすると、後々の面倒が少なくなるかと思います。

ネットで購入したものが届いたときも、玄関で開封してその場で処理。不要なビニール袋や段ボール、その他の包装材をすぐにリサイクルゴミとして分けてしまいます。
また買物から帰ったら、その場でタグを取ってすぐにゴミ箱に。衣類だけでなく、キッチン用品や化粧品も同じです。

要は「あとでやろう」と思うことを、その場ですませてしまうこと。これだけで暮らしがずいぶんとラクになります。家に不要なものがたまらないだけでなく、心の中もすっきりする感じがします。

時間をつくらず「ながら&ついで掃除」で終わらせる

掃除にまで手をかける時間はなかなか取れないもの。なので普段から行動しながら、またはその場所に行った「ついでに」掃除をしてしまうのがオススメです。

たとえば料理をしながら、魚を焼いている間などにキッチン周りをささっとふいたりしています。立って待つ時間が有効活用できてすっきりして一石二鳥。
また歯磨きと洗顔が終わったら、最後に水回りをササっとふき掃除してしまうのも習慣にしています。おかげで汚れがたまりません。

また、テレビを見ながらリビングの小物を整えたり、ハンディモップでホコリを払うなど、ちょっとした「ながら掃除」を有効活用しています。ズボラさんにはあえて時間をつくらないのがおすすめ。

基本中の基本!そもそも、ものを置かない

ものがあると「よけて、ふいて、戻して」と掃除の手間が増えるのです。なのでミニマリストの基本は「ものを置かないこと」。平面をサーっとなでるだけでOK。

たとえば、キッチンカウンター、テーブル、洗面台など、日常的に使う場所はとくにものを置かないように心がけてみてはどうでしょう。ひとふきするだけできれいになりますし、なによりすっきりとした空間は心にも余裕をもたらします。

キッチンでは調味料や小物をすべて引き出しに収納。使うときだけ取り出し、使ったあとはすぐに元の場所に戻す。これだけで、いつもキッチンが片づいているので掃除はラクになります。

ホコリがたまりやすいものは布をかけてガード

電話機やルーター、コピー機など、家電には意外とホコリがたまりやすいもの。しかし、それら一つ一つをこまめにふくのはなかなかの手間。そこでおすすめなのが「布をかけてガード」する方法です。

たとえば、プリンターや電話機に布をかけておけば、ホコリが直接つくのを防げますし、見た目もゴチャゴチャせずにすっきり。
そして、汚れたらその布を洗濯するだけ。これなら、細かい部分を一つ一つ掃除するよりずっとラクちんです。