英ロンドンのダウニング街10番地、首相官邸前に座る猫のラリー(2022年10月25日撮影)。(c)Daniel LEAL / AFP

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【AFP=時事】政治的混乱が続く英国で、この14年間、不動の存在がいる。ロンドン・ダウニング街(Downing Street)10番地の首相官邸のあるじ、老猫の「ラリー」だ。7月4日の総選挙の結果次第で、ラリーは自身にとって6人目の首相を迎えることになる。

 これまでラリーに「仕えてきた」首相5人は保守党だったが、世論調査が正しければ、初めて労働党の首相を迎えることになるはずだ。

 現職のリシ・スナク(Rishi Sunak)首相が去れば、ラブラドルレトリバーの「ノバ」も一緒に去ることになる。ラリーにとってはどうでもいいことだが。

 スナク氏の妻アクシャタ・ムルティ(Akshata Murty)氏によれば、ラリーとノバが「激しくやり合っている」こともあるが、いつも勝つのはラリーだ。

 ちなみに労働党のキア・スターマー(Keir Starmer)党首は最近、BBCのインタビューで、家族で「ジョジョ」という名の猫を1匹飼っていると明らかにした。自分より子どもたちの方がジョジョを甘やかしてかわいがっているという。

 英紙メトロに対しては、ハムスターの「ベア」も飼っていると語っている。ただし、スターマー氏が首相に就任しても、ジョジョとベアのいずれかが官邸入りするかどうかは分かっていない。

 スナク氏が5月22日に総選挙の実施を発表した後、ラリーは自身の公式SNSアカウント「@Number10cat」で「マニフェスト」を公表。

「私は総選挙で投票することはできないが、皆さんが誰を選出しようと、その相手と同居しなければならないのは私だ。別にプレッシャーをかけているわけではないが」「選挙の結果がどうであれ、私はここでいろいろなことに目を光らせるつもりだ」と投稿した。

 官邸での「ラリー政権」10周年を機にAFPがSNSアカウントを通じて行ったインタビューでは、ラリーは長寿の秘訣(ひけつ)を明かし、次のように回答した。

「重要なのは、ここに永住しているのは私であり、首相たちは解任されるまでのわずかな間、私と同居しているにすぎない点だ」「彼らは皆、遅かれ早かれ、この場所を仕切っているのは私であることに気付く」

【翻訳編集】AFPBB News

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