〈那須2人殺害・宝島さん長女も逮捕〉「ウチは普通の家族じゃないので」逮捕前、長女が記者に語っていた“事件”と“犯人”「同業者に狙われたのかな」「私も帰り道は気をつけてる」 

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東京・上野で焼肉店などの飲食店を多店舗展開していた「サンエイ商事」の社長夫妻が殺害され、栃木県那須町の河川敷に遺棄され燃やされた事件で、警視庁栃木県警の合同捜査本部(大崎署)は6月27日、新たに夫妻の長女の宝島真奈美容疑者(31)=東京都世田谷区=を殺人容疑で逮捕した。真奈美容疑者は、合同捜査本部が事件の首魁とみて今月14日に殺人容疑で再逮捕した同社幹部社員の関根誠端容疑者(32)の内縁の妻。両親が殺害された凶悪事件の直撃取材に「正直、敵は多かったと思う」とうそぶいていた娘の逮捕は、残虐な物語の序章に過ぎないのか。

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真奈美容疑者は鑑定用のDNAの検体の提供になかなか応じなかった

真奈美容疑者は関根容疑者ら6人と共謀、4月15日深夜から16日未明にかけ、品川区東五反田の空き家のガレージで父親の宝島龍太郎さん(当時55歳)と母親の幸子さん(56)の首を絞めるなどして殺害した疑い。

夫妻の血液からは睡眠薬の成分が検出されたことが司法解剖でわかっており、合同捜査本部は真奈美容疑者が睡眠薬の入手や摂取させたことに関与した可能性もあるとみて、調べを進めている。

宝島夫妻の遺体は4月16日早朝、結束バンドで両手を縛られた状態で顔にビニール袋を被せて粘着テープでぐるぐる巻きにされ、火をつけられた状態で発見された。鈍器で殴られたとみられる幸子さんの顔面は判別不能なほど変形しており、身元の判明までに約1週間を要した。

「龍太郎さんの遺体は警視庁が照合資料を持っていたとみられ、すぐに本人確認がとれたものの、幸子さんについては難航しました。

その理由は顔面や頭部を骨折していて顔の判別ができなかったことに加え、真奈美容疑者が鑑定用のDNAの検体の提供になかなか応じなかったこともあります。

合同捜査本部は店の経営を巡って夫妻と関根容疑者がトラブルを抱えていたことを早くからつかんでいたこともあり、内縁の妻でもある真奈美容疑者についても捜査線上から外していませんでした」(警視庁捜査1課担当記者) 

「ウチはなんというか、普通の家族じゃないので」

遺体発見時の猟奇性と、被害者が上野の繁華街で「宝島ロード」と称されるほどの多店舗展開を成功させた“焼肉王”夫妻だったこと、さらに夫妻がともに中国吉林省延辺朝鮮族自治州出身の「ニューカマー」として日本国籍を取得していたことなど話題性に富んでいたことから、当初から報道各社が激しい取材合戦を展開。

集英社オンラインは4月17日に真奈美容疑者の直撃取材に成功、♯2で「親族のひとり」として以下のように証言していた。

「本当に何もわからないんです。今、ニュースでわかったので、私も。未だに警察からも連絡ないですし。今答えられることは何もないです、正直。

(龍太郎さんと)最後に連絡をとったのは亡くなる2日前です。それもLINEだけなんで、実際に会ったのはもう数ヶ月前ですし。(犯人については)全くわかんないです。基本的にあの2人は仕事ばっかりなので、旅行に行く暇もないし、ましてやあんな場所、まず栃木には行ったことないです、家族で。

ウチ(宝島家)はなんというか、普通の家族じゃないので。変な言い方になるかもしれないですけど、何かトラブルがあったかもしれないですし。どういう感じだったのか、はっきり把握できてないです」

当時、「親族」と記事に記載したのは、真奈美容疑者本人が希望したからだ。このとき真奈美容疑者は、こうも話していた。

「私も海外長かったしまだ帰ってきて2年も経ってないので、その間に何か仕事上のトラブルがあったかもしれないですし。帰ってきてから私も仕事を手伝ってはいましたけど、それもまだ1年にも満たないし、裏方の事務なので最近の現場の状況はわかんないです」

「集金の帰り道に被害に遭った可能性もあるのではないでしょうか」

一方で両親を殺めた犯人の心当たりについては、こんな風に証言していた。

「敵は多かったと思いますよ、実際。同業者に狙われてたのかなとも思いますよ。店舗数も多いので、ましてやあの街ですし。そういう面で正直敵は多かったと思います。

目をつけられたこともありますし、私も帰り道は気をつけてるって話はずっとしてたんですけど、特定出来る人はわからないというか、多すぎてわからない。ライバルが多すぎてわからない。

1つの場所、台東区の上野周辺であれだけ店舗構えてれば狙われますよね。派手だったと思いますし、あの町から出たことがないので有名だったと思いますよ。

夫婦は日ごろから表の道を通るようにしてた。人が多いから。暗い道を通らないようにしていたと思うんですけど。本当に家か店かしか行ってないと思うので。集金の帰り道に被害に遭った可能性もあるのではないでしょうか」

当時から、どこか他人事のように俯瞰したような物言いが気になったが、このころはまだ警察から連絡が来てなかったといい、それについてこう話していた。

「(遺体がお父さんと)確認できたのに、なんでその段階で私に連絡がこないんですかね。特定できたってことは娘がいて、連絡先もわかるはずなのに連絡ってこないもんなんですか。日本の仕組みがちょっとよく分かんなくて。普通はまず親族に連絡きますよね。こない理由がちょっとよくわかんない。向こうが逆に連絡待ってるのかなとも思いますし」

事件発生から2ヶ月余。この間、内縁の夫が首謀者として逮捕され、息を潜めていた真奈美容疑者もついに逮捕された。自らが放った特大ブーメランを今後、彼女はどう説明するのだろうか。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班