不用品を手放していくと、自分の“好き”や本当に必要なものが明確になってきます。ここでは、ESSEフレンズエディターで整理収納アドバイザーの宮入京子さん(現在50代)のケースを紹介。子育てが落ち着いたタイミングで、取り入れたことで生活の質が向上したものについて語ります。

ソファを再び取り入れて、家族のコミュニケーションが増えた

以前リビングのソファを撤去したときに、部屋がすっきり。「もうソファは必要ない」と思っていました。ですが、家族がゆったり座る場所がなく、“ただのスペース”のようなリビングに違和感を覚えるように。

そして悩んだ結果、場所を取らない小さめのソファを置くことにしました。すると、今までは食事が終わったらすぐ各自の部屋へ行ってしまった子どもたちが、ゲームをしたり、寝転がったり、リビングで過ごすことが多くなったのです。自然と家族同士のコミュニケーションも増え、リビングに活気が出てきました。

普段は暮らしがよくなるように、ものを少なくしている私。減らすのではなく、ものを増やすことで部屋を有効に使えるようになったというのは、新たな発見でした。大物の家具を購入するときは慎重になりますが、「どのように活用できるのか?」「暮らしがよくなるのか?」といったことを考えて、ライフスタイルに合うものを買うことが大事だなと思いました。

「片づいた部屋」に映える観葉植物が好きになった

子育て中は家事に追われ、手間がかかる植物はいらないと思っていました。必要なものだけを厳選した50代から、部屋にグリーンや花を飾る楽しみがやっとわかりました。

植物は変化していくので日々発見があり、だんだん愛着がわいてきます。水やりや植え替えなどの手入れも楽しいと思うようになりました。不用品を減らし、すっきり片づいた部屋なら、植物がよりいきいきして見えます。

また、部屋にグリーンがひとつあるだけでインテリアのアクセントになります。手入れが簡単で育てやすい植物から始めてみてはいかがでしょうか?

野外用の収納ボックスで「ベランダのちょい置き」問題が解決

「ベランダに極力ものを置きたくない」と思っていましたが、植物が増えてからベランダに使っていない鉢などの“ちょい置き”が多くなったので、「無印良品再生ポリプロピレン入り頑丈収納ボックス」を購入。ベランダの非常口の邪魔にならない位置に置いています。

意外とたくさんのものが入るので、植物の手入れに使う道具だけでなく、洗濯グッズ、指定日まで捨てられない不燃ゴミなどを入れて使っています。中身はなるべく詰め込まず、常にゆとりを持たせるようにしています。

使用しているなかで、いちばんよかったことは、すぐ捨てられない不燃ゴミや紙ゴミを入れて置けること。ゴミの回収日まで「とりあえずベランダに出しておく」ことが減り、フタをしっかり閉められるので雨や風にさらされる心配もなくなりました。このボックスを取り入れたことで、逆にベランダがすっきりして心にも余裕が生まれました。

子育て中は家事を少しでもラクにしたいと、ものを減らしながら自分の“好き”を無意識に諦めて過ごしていた気がします。子どもの手が離れた50代からは、ものを減らすことだけに捉われず、自分らしい快適な暮らしをしていきたいと思います。