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日光市では、この時期しか取れない渓流の珍味、サンショウウオ取りが行われています。

日光市川俣地区では、古くから山深い場所を流れる沢で、梅雨の時期に合わせてサンショウウオ取りが行われています。

小松惠一さん(83)です。この日、辺りが明るくなってすぐに山に入りました。小松さんの家では代々、サンショウウオ取りを続けていて、自分しか知らないポイントに毎年、ウケと呼ばれる罠を仕掛けて60年以上になります。

ウケは、産卵するため、沢に集まってくるサンショウウオの習性を利用して流れが集まる場所に置き、5日ほどで中を確認します。冷たい雪解け水の中にカメラを入れてみると。いました。サンショウウオ。

この地域はほとんどが山林で平らな土地がないためコメを作ることができず、昭和30年代ころまでは、自給自足の生活でした。サンショウウオ漁は、明治末期に山梨県から伝わったと言われ、夏場に唯一、現金収入を得られる山の恵だったといいます。

今年は雨が少ない影響で、沢の水の量は例年の3分の1ほど。取れるサンショウウオの数も6割から7割と少ないということですが、10個ほどあるウケを次々と揚げていくとおよそ150匹が取れました。

サンショウウオは滋養強壮に効くと言われていて、燻製や串焼きなどにして地元の旅館や道の駅などで食べられるということです。サンショウウオ取りは今月いっぱい行われます。