とちぎテレビ

真岡鐵道で4月、53歳のSLの男性運転士が運行前のアルコール検査で基準を超える値が出たにも関わらず、そのまま運転していたことが真岡鐵道への取材で分かりました。

国土交通省は運転士に対し、呼気1リットル当たり0.09ミリグラム以上のアルコール濃度がある場合、行政処分を課すとしています。

真岡鐵道では0.05ミリグラム以上と、さらに厳しい基準を設けているほか、検査器と人による目視を義務付けています。

真岡鐵道によりますと、53歳の運転士は4月20日・土曜日の出社後に部下の43歳の男性運転指令とペアで行ったアルコール検査で、2回とも基準値を超える数値が出ました。

その後、本来行うはずの3回目をやらず、運転指令は目視による臭いや顔色などの確認のみで問題がないとし、点呼簿に「0.00ミリグラム」と嘘の数値を記載しました。運転士はそのままSLに乗り、下館駅と茂木駅の間を往復しました。真岡鐵道は「運行に影響はなかった」としています。

社内の規定に違反したとして、真岡鐵道は、運転士と運転指令、それに安全統括管理者の男性事業部長の3人を来週にも懲戒処分とする方針です。

真岡鐵道では今月(6月)、情報提供を受けて調査を始め、運転士は「前の日の午後8時までに350ミリリットルの缶ビール4本を飲んだ」と話したうえで、検査前にマウスウオッシュを使ったと説明したということです。

真岡鐵道でマウスウオッシュを使って独自に検証をしたところ、基準を上回る数値が出たということですが、真岡鐵道は基準を超えた状態で運転したことに問題があるとしています。

今後、真岡鐵道では検査する人数を3人に増やすなどして、再発防止へ体制を強化する考えで、「重大な違反と認識して大変申し訳なく思うとともに、今後2度と起こさない体制づくりに努める」としています。