ヘルシンキの田中亜土夢【写真:Getty Images】

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ヘルシンキはリーグ8試合を終え5位

 フィンランド1部ヘルシンキのMF田中亜土夢は今季ここまで、リーグ戦3試合に出場している。

 チームは上位戦線に踏みとどまっているなか、それでも“思うところ”があるようだ。自身のSNSで公開した1本の動画にファンが注目している。

 現在36歳の田中は、2006年にアルビレックス新潟でプロデビューを果たすと14年まで在籍。15年2月にはフィンランドのヘルシンキに活躍の場を移し、3季にわたって主力としてプレーした。その後は18年から2シーズン、セレッソ大阪に所属するもスタメン定着とはならず。2020年3月から再びヘルシンキの一員となっている。

 4月上旬に開幕した今シーズン、ヘルシンキはここまでの8試合で勝ち点12(3勝3分2敗)を獲得し12チーム中5位につけている。とはいえ、消化試合が1つ少ない暫定首位ヴァーサン・パロセウラとは勝ち点4差。6位までの決勝ラウンド進出圏内に確実にいるためにも、トップとの差を縮めたいところだ。

 そのなかで田中は5月21日、自身の公式X(旧ツイッター)で1本の動画を公開。投稿にあたって次のメッセージを添えた。

「自分の物、使ったものを戻さない。こんなチームは勝てないよね。これからも徹底的に伝えていきます」

 収められていたのは、クラブ施設内の様子だった。練習場ではスタンドに練習着やボトルが放置され、プロテインと見られる袋の口は開いたまま。シンクのグラスも洗われておらず、ほかにもトレーニングで使う用具も使ったら使いっぱなしになっている。波に乗り切れていないチームの現状が垣間見え、田中の言葉から察するに本人もこの状況は腹に据えかねているようだ。

 この動画は、公開されるとわずか1日で再生回数が184万を超えるなど大きな話題に。コメント欄には「そこから変えていこうという姿勢リスペクト」「凡事徹底が大事」「勝つ以前に大事なことですよね」といった反応が寄せられている。リーグ戦でのさらなる上位進出へ、田中はチームを変革に導けるだろうか。(FOOTBALL ZONE編集部)