PerL Pro(AH-C15PL)ホワイトモデル

デノンは、医療技術を応用したパーソナライズ機能を搭載した完全ワイヤレスイヤフォン「PerL Pro(AH-C15PL)」、「PerL(AH-C10PL)」に、新色のホワイトを追加する。発売日は5月下旬で、価格はオープンプライス。店頭予想価格はPerL Proが57,200円前後、PerLが33,000円前後。

PerL(AH-C10PL)ホワイトモデル

新色の追加により、ブラックとホワイトの2色展開となる。仕様は共通だが、単に塗装色を変えただけではなく、電波の透過率が塗料で変化するため、ホワイトモデルとして新たに開発されたものとなっている。

PerL Pro(AH-C15PL)ホワイトモデル

2機種に共通する特徴は、ユーザーの聴こえ方を測定し、その結果に基づいてサウンドをパーソナライズ化する「MasimoAAT」機能を備えている事。同様の機能を備えたTWSは他社からも発売されているが、デノンの新製品はその測定において、医療用機器の技術を応用しているのが特徴。

人の耳は、耳の入り口から鼓膜までの“外耳”、鼓膜付近の“中耳”、鼓膜より奥の“内耳”という3つのエリアに分けられる。一般的なTWSにおけるサウンドのパーソナライズ機能は、イヤフォンからテスト音を出し、それが聴こえたらユーザーがアプリのボタンをタップするなどの手法で測定するが、この技術の場合、耳穴の入り口から鼓膜までの“外耳”エリアの形状・特性を測定している事になる。

Masimo AATではその際に、入ってきた音が蝸牛の奥で異なる周波数の音に変化し、その微小な音が中耳を通して外耳道内に戻ってくる「耳音響放射」という現象を活用。その音を高感度のマイクで集音し、聴覚の特性を、ユーザーの感覚に頼らずに自動で解析する。そのため、測定時にユーザーがボタンを押すなどのアクションをする必要はない。

測定結果をもとに、ユーザー専用にチューニングされたプロファイルを作成。ユーザーが実際に聴いている音と、デノンが理想とするターゲットカーブのズレを補正し、理想の音へと近づける補正を行なっている。

Masimo AATでサウンドをパーソナライズ化

この測定には「Denon Headphones」アプリを使用。ユーザーのアカウントを作成すると、それにプロファイルを紐づけられる。

上位機のAH-C15PLでは、5バンドのイコライザーも搭載しており、自動調整されたサウンドに対して、さらに好み反映する微調整も可能。

PerL Pro

PerL Pro(AH-C15PL)ホワイトモデル

上位機のPerL Proは、クアルコムのSnapdragon Soundに対応。対応機器と連携し、CDクオリティのロスレスサウンドが楽しめるaptX Losslessと、不可逆圧縮だが96kHz/24bitのハイレゾ伝送が可能なaptX Adaptive(96kHz/24bit)に対応する。

ハイブリッド・アクティブノイズキャンセリング機能も備えており、その効果の強度を、周囲の環境に合わせて自動調整してくれるアダプティブ・ノイズキャンセリング機能が使用可能。

空間オーディオ技術の「Dirac Virtuo」も搭載。AVアンプなどでお馴染みのDiracが手掛けた空間オーディオ技術で、ソースが空間オーディオのファイルでなくても、変換して再生。「まるでハイエンドのスタジオモニターが整備された空間に入ったような体験ができる」という。

ユニットは10mmのダイナミック型ドライバーで、音質を追求し、超低歪3レイヤー・チタニウム振動板を採用している。さらに、イヤフォンの音声出力を6dB上げるハイゲインモードも用意。コーデックは前述のaptX Lossless/aptX Adaptive(96kHz/24bit)に加え、aptX、AAC、SBCに対応する。

2台のデバイスへ同時接続し、シームレスに切り替えられるマルチポイント接続に対応。

充電ケースはQiに対応し、ワイヤレス充電が可能。イヤフォンの駆動時間は8時間、充電ケース分は24時間。

PerL

PerL(AH-C10PL)ホワイトモデル

10mmのダイナミックドライバーを備えているのは上位モデルと同じだが、振動板は超低歪3レイヤー・チタニウム振動板ではなく、低歪振動板となる。

ハイブリッド・ノイズキャンセリング機能も備えているが、周囲の環境に自動的に合わせるアダプティブ機能は省かれている。空間オーディオ機能、マルチポイントは非対応で、充電ケースもワイヤレス充電には対応しない。

Snapdragon Sound非対応で、対応コーデックはaptX、AAC、SBC。再生時間はイヤフォン単体が6時間、充電ケース分が18時間。