偉大なマエストロ・小澤征爾さん。音楽のプロが愛してやまないそのスゴさ「神がかっている」
今さら人に聞けないような“音楽の基本”から、制作の裏側や専門テクニックなど“マニアックな知識”までを掘り下げていく『EIGHT-JAM』。
5月12日(日)の同番組では、2024年2月にこの世を去った世界的指揮者・小澤征爾さんのスゴさに迫る特集が放送された。
【映像】偉大なマエストロ・小澤征爾さん。音楽のプロが愛してやまないそのスゴさ
この日スタジオに集結したのは、アメリカ、ヨーロッパ、アジアを中心に活動し東京交響楽団正指揮者を務める原田慶太楼。現在は国内で3つのオーケストラで指揮者を務める川瀬賢太郎。小澤さんのアシスタントも務め、数多くの国際指揮者コンクールで賞を獲得してきた三ツ橋敬子。
そんな世界で活躍する3人が愛してやまないのが、偉大なマエストロ・小澤征爾さんだ。
ボストン交響楽団の音楽監督を29年間務めたほか、2016年にはグラミー賞のクラシック部門を受賞するなど、長きにわたり音楽界を牽引してきた小澤さんについて、川瀬・原田・三ツ橋はこのように語っている。
「日本の指揮者がパイオニアとして世界で道を開いていった。日本人なら誰しもが影響を受けたマエストロ」(川瀬)
「小澤さんは神がかっている。作曲家の魂とあれだけマリアージュしている人はいない」(原田)
「普段はすごく無邪気で子どもみたいですが、音楽的な感覚の鋭さは今まで接したどの音楽家よりも鋭敏だっだ」(三ツ橋)
また番組では、プロたちに衝撃を与えた小澤さんの指揮を貴重な映像とともに振り返る場面も。
三ツ橋が「一音目が出た瞬間に、もうこの世のものとは思えないような音が響いて、体を突き抜けていく感覚だった」と圧倒されたのが、小澤さんが75歳のとき、「病から復活を遂げた奇跡の公演」。食道がんで活動休止していた小澤さんが完全復活を果たしたニューヨーク公演で、「常に進化を遂げている。本当に素晴らしい指揮者」と感じたという。
「近くにいさせてもらえた時間が一生の宝物」(三ツ橋)と話すと、SUPER EIGHTの横山裕も「これ見てグッと来ない人、いないんじゃないですか。すごいな…」と感服する。
さらに、三ツ橋は小澤さんのアシスタントを務めるなかで印象的な出来事があったとか。
それは2009年、小澤さんが学生オーケストラの指揮をしていたときのこと。小澤さんが「客席でバランスを聞きたい」とのことで、近くにいた三ツ橋に指揮をバトンタッチしたそう。
「リレーのように私が指揮台に乗って、その曲の続きを指揮した。はじめはすごく素晴らしい音楽が集まっているけど、ひと振りごとにボロボロって音がこぼれていく感覚で…。先生が集めた音楽が振っても振っても戻ってこない」(三ツ橋)
そのとき「これが私と先生の違いなんだ」と痛感したといい、「すごくヒリヒリする感覚を味わった。一生物の勉強だった」と明かした。