Googleのスンダー・ピチャイCEOがGoogleの全Pixel製品、Android、Chrome、ChromeOS、Googleフォトなどをまとめた新部門「Platforms and Devices」を設立すると発表しました。部門責任者はGoogleのハードウェア部門を統括していたリック・オスターロー氏が務めます。

Building for our AI future

https://blog.google/inside-google/company-announcements/building-ai-future-april-2024/



Google’s newly formed platforms and devices team is all about AI - The Verge

https://www.theverge.com/2024/4/18/24133881/google-android-pixel-teams-reorg-rick-osterloh



オスターロー氏は、今回の部門再編が行われた理由はAIであると述べており、チームを統合することで必要に応じてフルスタックなイノベーションを起こすことができるようになるとしています。



例えば、Pixelのカメラ開発では、センサーからISP、ソフトウェアスタックのすべての層に至るまで、ハードウェアシステムに関する深い知識が必要でした。オスターロー氏はハードウェアとソフトウェア、AIの統合によって、AIがユーザーエクスペリエンスを完全に変革する可能性が示されたと述べています。

また、オスターロー氏はGPUを別の例として挙げています。GPUは、AIやディープラーニングのワークロードに非常に重要な部品です。AIモデルのトレーニングと推論には、大量の並列計算が必要であり、GPUはその点で優れた性能を発揮します。Googleは、TensorFlowやTPUなど、独自のAIハードウェアやソフトウェアを開発してきました。AI分野で圧倒的な存在感を示しているNVIDIAに対抗するために、Googleはハードウェアとソフトウェアを密接に連携させ、お互いの動向を把握することで迅速な改善が可能になるとオスターロー氏は述べています。



さらにオスターロー氏は、今回の再編によりGoogleは自社の全製品へのAI統合を大幅に加速できると述べています。これにより、Google DeepMindの最新の研究やモデルをすぐに活用できるようになり、新しいアプリケーションを素早く開発することが可能になるとのことです。

一方、Googleは長年にわたり、自社のPixelデバイスを優遇したり、SamsungなどのAndroidパートナー企業との関係を複雑にしたりしないように、自社のハードウェア部門とAndroidチームを明確に分けていました。IT系ニュースサイトのThe Vergeは「今回の統合によって、Googleが自社開発のPixelを優遇し、他のAndroidメーカーとの関係が悪化するのではないかという懸念がある」と指摘していますが、オスターロー氏はこの懸念を否定し、「AndroidとPixelのエコシステムパートナーとの関係は今後も維持されます」と述べています。



オスターロー氏はPixelやChromeやAndroidなどの優先順位は変わらないと述べていますが、全体的に、すべてのスピードを上げることを目指しているため、日々のミーティングのペースは確実に変わるだろうと述べています。