自分の血管年齢、意識したことはある?血管をケアすることこそ若返りの秘訣!体の内側からキレイになる方法♡
外見の若さを保つためには、ヘアケアやスキンケアといった外側からのケアが重要です。一方、からだの内側の若さを保つためには、内側からのケアが重要になるでしょう。今回は、からだ中にある血管を若返らせる方法を、薬剤師の山形ゆかりさんに教えてもらいました。
血管年齢を診断する方法は?
血管が老化すると弾力を失って硬くなり、血行不良や動脈硬化、心筋梗塞のリスクが高まります。病気を予防するためにも、血管年齢を診断する方法を紹介します。
血管年齢の診断方法
血管年齢は、血管硬化度や動脈の詰まり度で測定するのが一般的です。
血管の硬化度は、主にPWV検査(脈波伝播速度)という、心臓から押し出された拍動が動脈を伝わる速さを測定する検査でチェックされます。
血管が柔らかい場合、拍動は血管壁で吸収されてゆっくり進むため、PWVは遅くなります。一方、血管が固くなっていると、拍動は速く進み、PWVも速くなるでしょう。PWVが1,400cm/s未満だと正常で、1,400cm/s以上だと血管が硬化している可能性があります。
約10分で計測できるため、気になる方は心臓血管外科や循環器内科を受診してみましょう。糖尿病や高血圧などの持病があって動脈硬化が疑われる方は、保険診療で検査できますよ。
自分で調べる方法
脈波伝播速度は、自律神経のバランスや寝不足、ストレスの影響で大きく異なります。そのため、自宅で自分の血管年齢を調べても正確な値が出ない可能性が高いでしょう。
一般的な血液検査では、血圧やコレステロール値といった血液の成分による健康状態はわかりますが、動脈の硬さまでは計測しません。
正確な血管年齢を知りたい場合は、病院の受診がおすすめです。
血管を老けさせる習慣をチェック
以下のような習慣を持っている方は、血管の老化リスクが高いため注意が必要です。
・肉や揚げ物、インスタント食品やスナック菓子をよく食べる
・食事は満腹になるまで食べる
・あまり歩かず、運動もほとんどしない
・以前と比べて太ってきた
・睡眠不足が続いている
・ストレスがたまっている
・毎日の喫煙や飲酒の習慣がある
以上のチェック項目に該当する数が多いほど、血管年齢が高くなるリスクがあると考えられます。心当たりがある方は、以下で紹介する生活習慣の改善も意識してくださいね。
血管を若返らせる方法は?
血管を若返らせる主な方法を3つ紹介します。
食生活の改善
血管の若返りには、食生活の改善が重要です。魚や大豆に含まれる良質なたんぱく質は、内皮細胞の新陳代謝を促進します。内皮細胞には、動脈硬化のもとになる有害物質が血管壁に侵入するのを妨げる働きがあります。
血管を強くする効果もある良質なたんぱく質を、意識的に摂りましょう。さらに、イワシやサバといった青魚は、良質なたんぱく質だけではなく、動脈硬化の予防効果を持つDHAやEPAが豊富です。
大豆製品も、たんぱく質に加えて、抗酸化作用で血液をサラサラにする大豆イソフラボンや大豆サポニンが含まれているので、献立に組み込みましょう。
適度な運動
適度な運動によって内皮細胞が活性化し、血液がサラサラになります。
特別な運動をするのではなく、車やエスカレーターの使用頻度を減らして歩くだけでも効果が期待できるので、積極的にからだを動かしましょう。
仕事や家事の合間に軽くストレッチをするだけでも、硬くなったからだとともに血管がしなやかになります。
漢方薬の服用
食生活の改善や適度な運動で血管年齢は若返るでしょう。
一方、毎日忙しいと、血管年齢のために生活習慣を変えるのは難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
そんな方は、飲むだけで効果が期待でき、手軽に継続できる漢方薬の服用がおすすめです。血管の老化対策には「血管の柔軟性を改善する」「血行不良を改善する」といった作用をもつ生薬を含む漢方薬を選びましょう。
漢方薬は根本からの体質改善が目指せるので、不調を治すだけでなく不調にならないからだへと導いてくれます。
おすすめの漢方薬はこの2つ
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):体力があまりなく、貧血気味で冷え症の方におすすめです。栄養を補い血行を促進し、水分循環をよくして冷えを緩和します。
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):「血(けつ)」のめぐりをよくしてうっ血を取り除くことで、肩こりやめまい、のぼせ、足の冷え、生理不順などを改善します。
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*漢方薬は比較的安全だといわれていますが、きちんと合ったものでないと十分な効果を得られないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。どの漢方薬が適切か見極めるには、専門家のアドバイスに従いましょう。
山形ゆかり●薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ。症状・体質に合った漢方をスマホで相談、症状緩和と根本改善を目指す。