ソラコムがいよいよ上場、玉川社長「M&A後のIPOの道筋をつけた」
ソラコムは3月26日、東京証券取引所グロース市場へ新規上場したことを発表した。同社は2022年11月に上場申請を行ったが、2023年2月に上場申請を取り下げ、同年11月に再申請を行い、今回、上場を果たした。
クラウドベースの技術力と収益モデルが強み
冒頭、代表取締役社長の玉川憲氏は、「上場により、日本初のグローバルのIoTプラットフォームを目指したい」と語った。
ソラコム 代表取締役社長 玉川憲氏
同社は、IoTプラットフォーム「SORACOM」を核として、IoTデバイスとクラウドサービスを提供している。玉川氏は、同社のビジネスの強みについて、次のように説明した。
「われわれは当社のビジネスをIoT SaaSモデルと呼んでいる。ユーザーはオンラインでSIMを1枚から買える。数枚のSIMでプロトタイプを作り、うまくいったら買い足してシステムを拡張できる。すべてのステージで、デバイスやSIMをインクリメンタルに購入してもらえる
インクリメンタル収益が増えるとリカーリング収益が増える。このビジネスモデルを技術力。クラウド上で通信のモバイルコアを作ったことが強み」
ソラコムのIoTプラットフォームビジネスの仕組み
「は通信のコアシステムをソフトウェアでパブリッククラウド上で構築したので、設備投資が抑えられており、コスト効率が高い。自分たちでソフトウェアにより作っているので、必要なIoT機能をレゴのプロックのように組み立てられる。また、プラットフォームとして提供しているので、カスタマイズする必要がないので、スケールしやすい」と、玉川氏は技術面の優位性にも言及した。
2024年3月期のソラコムの業績予想
3つの柱から成る成長戦略
玉川氏は、成長戦略として、「グローバル」「大規模案件」「戦略的アライアンス」という3つの柱を示した。
グローバル
同社はイギリスとアメリカにオフィスを構えており、グローバルの売上は全体の3分の1を占めているとのことだ。玉川氏は、「われわれはことも容易ことも容易。すでに、180カ国で利用できる」と語った。これまで以上に、グローバルで使えるIoTプラットフォームとして、攻勢を強める構えだ。
大規模案件
玉川氏は、これまでの実績から大規模案件をできるナレッジが蓄積されており、今後、空調機など手掛けた大規模案件からより大きなリカーリング収益が入ってくると説明した。
戦略的アライアンス
戦略的アライアンスとしては、「コネクテッドカ―」と「通信事業者向けプラットフォーム提供」に注力する。
コネクテッドカーについては、今年2月にスズキとの協業検討が発表、今回、スズキのコーポレートベンチャーキャピタルファンド「Suzuki Global Ventures」が出資したことが発表された。玉川氏は、「スズキはインドやヨーロッパでトップシェアを誇っており、ソラコムのプラットフォームを生かせる」と述べた。
また、 通信事業者向けプラットフォームについては、KDDIに提供することで、新しいプラットフォームを構築してきたという。今後は、 海外の通信事業者に提供することで、新しいビジネスの柱としたいという。
「スイングバイIPO」を実現
ソラコムは2017年にKDDIに買収され、KDDIグループの一員となった。その後、ソラコムは日立製作所、ソニーグループなど6社の出資を受けている。
ソラコムとKDDIは、今回のIPOを「スイングバイIPO」と称している。スイングバイとは、宇宙の専門用語で宇宙探査機が惑星の重力を利用して加速するということを表現した言葉。これを踏まえ、両社は、スタートアップが大企業のサポートを得て成長し上場を目指すことを、スイングバイIPOと呼んでいる。
通常、スタートアップが大企業に買収されると、そこで企業としては終わることが多い。しかし、ソラコムは違う。KDDIの買収後に、上場を果たし、新たなステージに上がった。
KDDIの代表取締役社長である郄橋誠氏は、ソラコムの上場について、「当初、取締役会でも話題になったが、われわれにとってメリットになると思った。コネクテッドカーに関しては、KDDIもトヨタと取り組んでいる。コネクテッドカーには安定が求められる領域とスピードが求められる領域があるが、ソラコムとやることで両方に取り組めている」と語った。
KDDI 代表取締役社長 郄橋誠氏
一方玉川氏も、大企業であるKDDIの支援を受けたことによるメリットについて、次のように話していた。
「グローバルでビジネスを展開するにはブランドが求められる。また、シリーズCをやる時はインフラに関わることを行う必要があるので、クラウド事業者と手を組まないといけない。KDDIグループに入ったことで、お墨付きがもらえた。実際、M&Aの後に大規模案件が決まった」
ソラコム株の売り出しは上々のようで、会見が行われた11時の時点でまだよりついていなかったという。高橋氏は、証券会社から聞いたソラコムが人気の理由として、「IoT市場は広がりがある」「海外の売上が30%以上」「ソニー、日立、セコムなどキーインベスターが支えている」を挙げていた。
クラウドベースの技術力と収益モデルが強み
冒頭、代表取締役社長の玉川憲氏は、「上場により、日本初のグローバルのIoTプラットフォームを目指したい」と語った。
同社は、IoTプラットフォーム「SORACOM」を核として、IoTデバイスとクラウドサービスを提供している。玉川氏は、同社のビジネスの強みについて、次のように説明した。
「われわれは当社のビジネスをIoT SaaSモデルと呼んでいる。ユーザーはオンラインでSIMを1枚から買える。数枚のSIMでプロトタイプを作り、うまくいったら買い足してシステムを拡張できる。すべてのステージで、デバイスやSIMをインクリメンタルに購入してもらえる
インクリメンタル収益が増えるとリカーリング収益が増える。このビジネスモデルを技術力。クラウド上で通信のモバイルコアを作ったことが強み」
ソラコムのIoTプラットフォームビジネスの仕組み
「は通信のコアシステムをソフトウェアでパブリッククラウド上で構築したので、設備投資が抑えられており、コスト効率が高い。自分たちでソフトウェアにより作っているので、必要なIoT機能をレゴのプロックのように組み立てられる。また、プラットフォームとして提供しているので、カスタマイズする必要がないので、スケールしやすい」と、玉川氏は技術面の優位性にも言及した。
2024年3月期のソラコムの業績予想
3つの柱から成る成長戦略
玉川氏は、成長戦略として、「グローバル」「大規模案件」「戦略的アライアンス」という3つの柱を示した。
グローバル
同社はイギリスとアメリカにオフィスを構えており、グローバルの売上は全体の3分の1を占めているとのことだ。玉川氏は、「われわれはことも容易ことも容易。すでに、180カ国で利用できる」と語った。これまで以上に、グローバルで使えるIoTプラットフォームとして、攻勢を強める構えだ。
大規模案件
玉川氏は、これまでの実績から大規模案件をできるナレッジが蓄積されており、今後、空調機など手掛けた大規模案件からより大きなリカーリング収益が入ってくると説明した。
戦略的アライアンス
戦略的アライアンスとしては、「コネクテッドカ―」と「通信事業者向けプラットフォーム提供」に注力する。
コネクテッドカーについては、今年2月にスズキとの協業検討が発表、今回、スズキのコーポレートベンチャーキャピタルファンド「Suzuki Global Ventures」が出資したことが発表された。玉川氏は、「スズキはインドやヨーロッパでトップシェアを誇っており、ソラコムのプラットフォームを生かせる」と述べた。
また、 通信事業者向けプラットフォームについては、KDDIに提供することで、新しいプラットフォームを構築してきたという。今後は、 海外の通信事業者に提供することで、新しいビジネスの柱としたいという。
「スイングバイIPO」を実現
ソラコムは2017年にKDDIに買収され、KDDIグループの一員となった。その後、ソラコムは日立製作所、ソニーグループなど6社の出資を受けている。
ソラコムとKDDIは、今回のIPOを「スイングバイIPO」と称している。スイングバイとは、宇宙の専門用語で宇宙探査機が惑星の重力を利用して加速するということを表現した言葉。これを踏まえ、両社は、スタートアップが大企業のサポートを得て成長し上場を目指すことを、スイングバイIPOと呼んでいる。
通常、スタートアップが大企業に買収されると、そこで企業としては終わることが多い。しかし、ソラコムは違う。KDDIの買収後に、上場を果たし、新たなステージに上がった。
KDDIの代表取締役社長である郄橋誠氏は、ソラコムの上場について、「当初、取締役会でも話題になったが、われわれにとってメリットになると思った。コネクテッドカーに関しては、KDDIもトヨタと取り組んでいる。コネクテッドカーには安定が求められる領域とスピードが求められる領域があるが、ソラコムとやることで両方に取り組めている」と語った。
KDDI 代表取締役社長 郄橋誠氏
一方玉川氏も、大企業であるKDDIの支援を受けたことによるメリットについて、次のように話していた。
「グローバルでビジネスを展開するにはブランドが求められる。また、シリーズCをやる時はインフラに関わることを行う必要があるので、クラウド事業者と手を組まないといけない。KDDIグループに入ったことで、お墨付きがもらえた。実際、M&Aの後に大規模案件が決まった」
ソラコム株の売り出しは上々のようで、会見が行われた11時の時点でまだよりついていなかったという。高橋氏は、証券会社から聞いたソラコムが人気の理由として、「IoT市場は広がりがある」「海外の売上が30%以上」「ソニー、日立、セコムなどキーインベスターが支えている」を挙げていた。