中国で生まれ独自の進化を遂げた、日本の餃子。

中国ではおおよその餃子は水餃子と呼ばれる、沸騰したお湯の中をくぐらせて味わう餃子がほとんどだが、日本では、主にパリッとした皮とその皮に包まれた美味しい餡とのハーモニーが嬉しい焼き餃子が広まっている。

そんなおいしい餃子は、今や世界各地で楽しまれている。

例えば、ポーランドで楽しまれている餃子「ピエロギ」に、マレーシアの美食の街・イポーにある「富山茶樓」で味わうで絶品の餃子、シンガポールの名門ラッフルズ・ホテルにある「ロイヤルチャイナ」で味わう至高の餃子、台湾・高雄にある市場で味わうド・ローカルな水餃子、さらにはフランス・パリで味わえる日本人初のミシュランシェフが手がけるギョウザ専門店「GYOZA BAR」などなど、数え上げればキリがない。

また、日本に目を向けてみれば、中国からもたらされたおいしい餃子は、宇都宮餃子や浜松餃子、そして博多餃子など、日本各地でそれぞれ独自の進化を遂げているのだ。

例えば、水餃子の名店、京成立石「蘭州」で味わう絶品の焼きニラ餃子に、行列必至の餃子専門店と呼ばれる江東区・亀戸の「亀戸餃子」、下町の商店街「ジョイフル三ノ輪」で味わうコスパ最高の餃子、餃子専門「さかい食品」、あのアンジャッシュ渡部さんが絶賛する餃子のお店、渋谷区幡ヶ谷の「您好 (ニイハオ)」、タモさん行きつけの中華料理屋「登龍」で味わうセレブな餃子に、1日に5000個も売れる博多っ子のソウルフード「旭軒」の博多餃子などなど、日本国内の美味しい餃子店をすべて挙げることも難しい。

そんな全国各地にある数々の餃子店の中から、今回は三重県四日市市で1955年(昭和30年)に創業し、美味しい餃子を提供し続けているお店をご紹介したい。

お店の名前は「新味覚」だ。

・三重県四日市の名物餃子といえばここ、1955年(昭和30年)創業の「新味覚」

こちらのお店、1955年(昭和30年)に創業した餃子専門店。1955年(昭和30年)といえば、電気洗濯機、電気冷蔵庫、テレビが「三種の神器」と呼ばれていた時代。

「トランジスタラジオ」が初めて発売、日本を代表する日本語国語辞典である広辞苑が初めて発行、後楽園遊園地に初めて本格的ジェットコースターがお目見えし、現在のTBSテレビとなるラジオ東京テレビが開局するなど、様々な新しいサービスや事業が立ち上がっていた時代。

そんな時代に生まれた餃子専門店は、今なお、三重県四日市市で、多くのファンを虜にする餃子を提供し続けているのだ。

・三重県四日市の名物餃子といえばここ、1955年(昭和30年)創業の「新味覚」
こちらのお店では、食事のメニューは餃子(一皿8個)しか存在していない。それ以外のメニューはドリンクか、もしくは、お持ち帰りの餃子(お土産)のみとなっている。そのため、着席してしばらくすると、餃子が自動的に出てくる。おかわりをする場合はカウンターに皿を乗せれば、次の餃子が出てくるという超効率的なワンコ餃子スタイルなのだ。

そのため、好みのドリンクを注文するだけで、オーダーは終わりだ。

こちらの餃子には、キャベツ、にら、玉ねぎ、にんにく、そして豚肉がしっかりと詰まっている。全ての具材がかなり細かく刻まれており、野菜の甘みとにんにく、そして豚肉の味わいと、それら全てが食べやすい大きさの餃子の中に閉じ込められているため、何個でもパクパクと食べてしまう、そんな美味しさが魅力の逸品だ。

もちろん外側のパリッと香ばしく、サクッとした皮の食感と、中に詰まっている餡との相性は言うまでもない。

さらに特筆したいのが卓上にある特製のきざみニンニクだ。新鮮な生にんにくをきざみ、唐辛子の入った特製のラー油に漬け込んだトッピングは、非常にパンチのある味わい。非常にニンニクが効いている餃子となるので、注意して味わいたいが、これをタレに好みの分量加えて味わうことがまた病みつきになる原因なのだ。

もし三重県四日市市を訪れる機会があるのであれば、このエリアのソウルフードとも言えるこちらの餃子を味わってみてはいかがだろうか。

きっとそこには、長い間一途に餃子だけを追求しつづけてきた、このエリアならではの味わいがあるに違いないのだ。そしてその味わいを楽しんだのなら、またこの場所を旅したい、そう思えるに違いないのだ。

<お店の情報>
お店 新味覚 本店 (しんみかく ほんてん)
住所 三重県四日市市久保田2-10-1
営業時間 11:30〜売り切れ次第終了
定休日 月曜日、第3月曜日・第3火曜日(連休)

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