こちらは「りょうけん座(猟犬座)」の方向約1億8000万光年先にある銀河のペアを捉えた画像です。画像の中央下に写る中心に棒状構造を持つ大きい方の銀河は「NGC 5410」、左上に写る小さい方の銀河は「UGC 8932」と呼ばれています。大きさはNGC 5410が幅約8万光年、UGC 8932が幅約6万光年とされています。


【▲ ハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3(WFC3)で撮影された2つの銀河「NGC 5410」(下)と「UGC 8932」(左上)(Credit: NASA/ESA/D. Bowen (Princeton University)/Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America))】

アメリカ航空宇宙局(NASA)によると、NGC 5410とUGC 8932は重力を介して影響を及ぼし合う相互作用銀河です。相互作用銀河のなかには潮汐力によって形が大きくゆがんだり、渦巻腕(渦状腕)が長い尾のように伸びていたりするものもあります。


UGC 8932の不規則な形態はNGC 5410の重力によって生じた歪みが原因ではないかと考えられています。また、2つの銀河の間にはまるで橋を架けたかのように、相互作用によって星の流れが生じているといいます。


この画像は「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope:HST)」の「広視野カメラ3(WFC3)」で取得したデータをもとに作成されました。ハッブル宇宙望遠鏡によるNGC 5410とUGC 8932の観測は、矮小銀河間の相互作用と星形成の関係を調査する研究の一環として2023年3月に実施されたということです。冒頭の画像はNASAから2024年1月26日付で公開されています。


 


Source


NASA - Hubble Studies a Sparkling Galaxy Pair

文/sorae編集部