かつては「産業道路駅」でした。

地下化後の正式な新駅舎開業


京急大師線(画像:写真AC)。

 京浜急行電鉄は2023年12月12日(火)、大師線の大師橋駅のリニューアル駅舎が完成を迎えると発表しました。新駅舎の使用開始は23日の予定です。

 大師線は、京急の路線では歴史的に最も古く、1899(明治32)年に最初の区間が開通しています。川崎大師への参拝客を運ぶために作られ、その後、穴守稲荷への参拝路線(現:空港線)とともに、東京・横浜方面へも線路を伸ばしていくこととなります。

 大師橋駅は、終戦間近の1944(昭和19)年に延伸部として開業。長らく「産業道路駅」でしたが、2019年に地下化されたのに合わせ、2020年に現在の駅名に変更されています。

 かつては駅の東側で、8車線の大動脈である産業道路を踏切で大またぎしており、渋滞の原因となっていましたが、地下化によって風景は一変しています。

 駅舎はいままで暫定形として、かつての地上駅の東行き改札あたりから狭い通路とエスカレーターが伸びるだけのものでした。今回ようやく、まともな「駅舎」が完成に至ります。

 新駅舎は、産業道路側から正面に広い改札口があり、中は広いコンコースとなっていて、手前と奥に2か所の階段部があります。外装は白を基調としていますが、これは「梨の花」がモチーフとなっています。明治時代、大師線開通とほぼ同時期に梨の新品種が発見され、「長十郎梨」というブランドで、日本国内を席巻するほどに至ります。その由緒ある地がここというわけです。