アメリカ製のミサイルを使用。

米ウの技術をつぎはぎしたミサイルシステム

 アメリカ政府は2023年12月6日、ウクライナで新しい地対空ミサイルシステムの一部を現地生産するため、必要なデータの一部を提供したと発表しました。


ウクライナ軍の保有するブーク空対空ミサイルシステム(画像:ウクライナ国防省)。

 これは、ウクライナが自国で保有する旧ソ連製の旧式ミサイルシステム「ブーク」の車体と、アメリカが供与した対空ミサイルRIM-7「シースパロー」と発射システムを組み合わせることで、新しい地対空ミサイルシステムを戦場に供給するというものです。

 同ミサイルシステムをウクライナメディアでは、別の兵器を繋ぎ合わせて作った“フランケンシュタインの怪物”のような兵器ということで「フランケン」と呼ぶこともあるようです。

 冬に入り、地上戦には大きな動きが起きていませんが、ロシアは自爆ドローンや巡航ミサイルを用いてウクライナのインフラ攻撃を続けています。そうしたインフラの防衛のためには、ウクライナが保有しているS-300やアメリカやドイツから供与を受けた「パトリオット」などのミサイルシステムより射程距離は劣るものの、コストが安く数は用意できる「フランケン」は効果的といわれています。

 今回の決定についてアメリカのホワイトハウスは「これらの最初の成果は、両国の協力を拡大し、戦場での成功に必要な能力をウクライナに提供するだけでなく、ウクライナの長期的な経済復興と防衛を支援するものである」と発表しています。