盛り上がるエンタメ新時代!「KISS」が「3Dアバター」の仲間入り
伝説のロックバンド・KISSは、これで何度目かの最終公演を行った後に、3次元のアバターとして活動を続けていくことを発表しました。スウェーデンのエンタメ企業・Pophouse Entertainment Groupとの提携により実現したとのことです。
KISSは最後の曲を演奏し終えた後、炎と煙の中に消えてきました。その後に照明が落とされ、リードボーカルのポール・スタンレー、ベースのジーン・シモンズ、ドラムのエリック・シンガー、ギターのトミー・セイヤーのアバターたちが登場して「ゴッド・ゲイヴ・ロックンロール・トゥ・ユー」を演奏。
そしてポールが「君たちの愛が、君たちの力が、僕らを不滅にした。新しいキッスの時代が今始まる」と叫び、今後はアバターで活動を続けると明かした次第です。
これらアバターは『スター・ウォーズ』や『トランスフォーマー』などのVFX(視覚効果)を手がけるILM(インダストリアル・ライト&マジック)が作成したもの。YouTube動画では、4人がアバターを作るためにモーションキャプチャースーツを着込んで演奏している姿が収録されています。
また、このショーを手がけるPophouseは、すでに1年以上前から世界的ポップグループABBAのバーチャルコンサートを行ってきました。実際のメンバーたちによる演奏や動きはモーションキャプチャーで再現しつつ、外見だけは3Dアバターにより若くするという手法であり、単にキャラクターを機械的に動かしているわけではありません。
KISSについては、「没入型のアバター・コンサート」を開催するとのこと。具体的にどのような開催形式になるのかは不明です。
生身のパフォーマーがいない「ライブ」ショーを、ファンは本当に観に来るのか? しかし、ABBAのアバターショーは、毎週200万ドル(約3億円※)を売り上げているそうです。また、テイラー・スウィフトのコンサート映画『THE ERAS TOUR』の全世界興行収入も2億5000万ドル(約368億円)を突破しており、KISSも大成功を収めるかもしれません。
※1ドル=約147.2円で換算(2023年12月4日現在)
日本では、数年前から映画館での応援上映は珍しくなくなっています。あるアイドルアニメ映画では、ファンたちは実際のコンサートのようにペンライトを振りながら声援を送っていたもの。もしかしたら、それは世界を先がける動きだったといえるかもしれません。
Source:Bloomberg, The Verge