by Zde

古代ローマでは、邪視を防ぐための魔除けとして、男根をかたどった風鈴であるチンチンナブルムが用いられていました。セルビア東部にある古代ローマの遺跡で、新しいチンチンナブルムが見つかったことが報告されました。

JEDINSTVENO OTKRIĆE U VIMINACIJUMU: arheolozi pronašli neobičan predmet tintinabulum "čuvarkuća" u obliku krilatog falusa - Sve o arheologiji

https://sveoarheologiji.com/jedinstveno-otkrice-u-viminacijumu-arheolozi-pronasli-neobican-predmet-cuvarkuce-u-obliku-krilatog-falusa/

Phallus wind chime found at Roman Viminacium

https://www.heritagedaily.com/2023/11/phallus-wind-chime-found-at-roman-viminacium/149237

'Magical' Roman wind chime with phallus, believed to ward off evil eye, unearthed in Serbia | Live Science

https://www.livescience.com/archaeology/romans/magical-roman-wind-chime-with-phallus-believed-to-ward-off-evil-eye-unearthed-in-serbia

セルビア東部にある古代ローマの都市・ヴィミナシウムの遺跡で、青銅でできたチンチンナブルムが新しく発掘されました。この遺物は、都市の目抜き通りにある大きな家のベランダに埋まっており、ベオグラード考古学研究所の考古学者であるイリヤ・ダンコビッチ氏は「建物が火災で崩壊した際に地面に落ちたのでしょう」と話しています。

この投稿をInstagramで見る Institute of Archaeology(@arheoloski.institut.rs)がシェアした投稿




ヴィミナシウムは、古代ローマの属州であるモエシア・スペリオル(上モエシア)の州都で、最盛期には4万人の人口を誇ったとのこと。競馬場、円形劇場、集会場、浴場などを備えた軍事都市として栄えたヴィミナシウムですが、西暦441年にフン族のアッティラ王によって略奪され、ビザンチン皇帝ユスティニアヌスによって再建された後、西暦582年に再びスラブ人の侵略によって破壊されました。

新しくヴィミナシウムで見つかったチンチンナブルムは、他の魔除けの風鈴と同様に男根の表象を特徴としており、その異様な見た目と音で悪霊を怖がらせることで、当時非常に恐れられていた邪視を防ぐために作られたと考えられています。

新しいチンチンナブルムの完全な構造は修復されるまで不明ですが、2本の脚と翼、そして魔法の男根である「ファスキヌス(Fascinus)」がデザインされています。ダンコビッチ氏は「外見から判断すると、4つの風鈴とそれをつるす鎖があります。また、他のチンチンナブルムにはない意匠もあるようです」と述べました。



ヴィミナシウムでチンチンナブルムが見つかるのはこれが2つ目ですが、最初のチンチンナブルムはオーストリアの個人のコレクションになっていて、詳細についてはわかっていないそうです。

ダンコビッチ氏によると、古代ローマ人にとって男根は必ず下品なものではなかったとのこと。「これは幸運や幸福をもたらすものと考えられており、邪視と戦う上では効果的な武器でした。そのため、男根はワインの杯や子どもが身につけるお守りまで、ローマ世界の至る所で見られました」とダンコビッチ氏は話しました。

古代ローマの遺跡からは、男根のペンダントなども見つかっています。

古代ローマの「精巧なペニスのペンダント」が見つかる - GIGAZINE



by The Portable Antiquities Scheme

ダンコビッチ氏は、新しく発掘されたチンチンナブルムはローマ帝国の他の場所からの輸入品だった可能性が高いと考えています。そのため、今回の発見はヴィミナシウムにそのような品物に多額の金銭を支払うことができる社会的エリートがいたことの証拠ではないかと、ダンコビッチ氏は指摘しました。