ネットを使った犯罪について啓発する「警視庁サイバーセキュリティセンター」 ゆっくり解説らしき動画

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警視庁メタバース空間「警視庁サイバーセキュリティセンター」が2023年9月25日にオープンした。サイバーセキュリティに関する啓発活動が目的だ。大日本印刷がAKIBA観光協議会と運営する「バーチャル秋葉原」内に設置している。

インターネットを使った犯罪行為や対策について学べる動画が数十本、設置されている。

U字工事による動画も

サイバーセキュリティセンターはパソコンやスマートフォンのブラウザーからアクセス可能。1階「公開フロア」と2階「演習フロア」の2つのスペースで構成されている。

1階にはお笑いコンビ・U字工事による、漫才を通してサイバーセキュリティについて解説する動画や、在留外国人に向けた犯罪啓発動画などを設置。クリックすると、すぐに音声付きで再生できる。警視庁のマスコットキャラクター・ピーポくんも配置されており、クリックすると子ども向けサイト「ピーポくんタウン」にアクセスできる。

ところで、近年の動画サイトでは「ゆっくりボイス」と呼ばれる人工音声を使い、同人ゲーム「東方Project」の2次創作キャラクターが経済や歴史などについて解説する「ゆっくり解説」というジャンルが人気だ。

「サイバーセキュリティセンター」1Fには中「ゆっくり解説」とおぼしき形式で著作権侵害について解説する動画も視聴できる。中央大学と警視庁の提供とある。著作権というテーマながら、キャラクター「霊夢」と「魔理沙」がユーモラスにかけ合いをする様は必見だ。

チャットを通してセンター内の他のユーザーと交流も可能だ。記者がアクセスしたときには、2人のユーザーがチャット機能であいさつをしていた。

研修ルームは24年1月オープン

2階の「演習フロア」は、サイバーセキュリティをより深く学べるフロア。9月26日現在は「セキュリティ概論講座室1 アニメで学ぶ『暮らしに潜むリスクと対策』」という講座を受けられ、10本の動画が設置されている。SNS炎上やウイルスメールの注意点、ウェブサイト閲覧時に気をつけるべきことなどについて学習可能だ。

概論講座室は他にも2つあるが、いずれも今後公開予定とのこと。また「サイバーセキュリティ研修ルーム」というのもあるが、こちらは2024年1月中旬オープン予定とある。サイバーセキュリティ事件の危険性を体感し、それに対する「組織の調整やコラボレーション」を学べる部屋という。1シナリオ2時間かかり、警視庁が許可した関係者のみ入室可能とある。

大日本印刷の7月26日付発表によると、「警視庁職員を中心とした受講者が、メタバースを利用した訓練を通じて、インシデント発生時の企業等の立場や対応への理解を深めるとともに、適切な対処方法を学びます」とのことだ。