大不振のチェルシー、2023年の勝利数&勝ち点数はプレミアワーストに

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 低迷した昨シーズンからの名誉挽回を目指し、今夏にマウリシオ・ポチェッティーノ新監督を迎えたチェルシーだが、新体制でも成績は改善されない状況が続いている。24日、イギリスメディア『スカイスポーツ』が伝えている。

 プレミアリーグ第6節が24日に行われ、チェルシーはアストン・ヴィラと対戦。58分にVARでの確認の結果、マロ・ギュストが一発退場となり、数的不利となると、73分に決勝点を許し、0−1で敗戦。早くも今季3敗目(1勝2分け)を喫し、14位と低迷している。

 長年にわたってロシア人実業家のロマン・アブラモヴィッチ氏に所有されてきたチェルシーだが、昨年2月にロシアのウクライナへの侵攻が始まったことを受け、ウラジミール・プーチン大統領と関係が近しい人物としてアブラモヴィッチ氏が制裁の対象になったことで、クラブ売却を決断。昨年5月にトッド・ベーリー氏が会長を務める新しいオーナーグループとなった。

 これにより、クラブモデルを大きく転身することになり、過去3回の移籍市場で選手を多数入れ替える大型補強と売却を行い、給与体系の改善やチーム平均年齢の引き下げにも成功した。しかし、チームの成績は悪化の一途をたどり、昨季は暫定監督を含め、3人が指揮するなど、プレミアリーグではクラブ史上最低勝ち点および最低得失点差の12位で終えた。

 心機一転を図り、ポチェッティーノ監督を招へいしたチェルシーは、プレシーズンからチームの立て直しの兆しを見せていたものの、開幕直前に新加入のフランス代表FWクリストファー・エンクンクが長期離脱を余儀なくされたことを始め、昨季に続き今季も離脱者が続出。前節は12人が欠場となる状態にもなっていた。

 この影響もあり、今季も勝利から遠ざかっているチェルシー。イギリスメディア『Squawka』によると、2023年に行われたプレミアリーグ(2022−23&2023−24)ではわずか29試合で勝ち点「25」しか獲得することができず、27試合で同勝ち点となっているエヴァートンと並んで、同リーグでワーストタイの数字になっているという。なお、勝利数はわずか5試合とリーグ最小となっている。

 また、データサイト『OPTA』によると、2023年に行われたプレミアリーグでチェルシーは13試合で無得点に終わっており、これは1995年の14試合に次ぐ、ワースト記録になっていることも伝えられている。

 アストン・ヴィラ戦に敗れたことで、6試合で勝ち点「5」と1978年以来、45年ぶりの最悪なスタートとなったチェルシー。試合後、ポチェッティーノ監督は「個人だけではなく、チームとして成長する必要がある」と大きな転身を果たしたことから長期的に物事を見ていく必要があることを強調した。

「たとえば、ニコラス(・ジャクソン)のような選手はとても若く、プレミアリーグへの道を手探りで学んでいる最中だ。彼には時間が必要だ。このようなタイプの試合では勝ちたいと思っているが、選手たちは若いうちにミスした時にどうするか、学んで経験していかなければならない」

「このような状況が続いてしまっているので、私たちは残念に思っている。細かなことであるが、最終的には試合に敗れてしまっている。できるだけ早くこの状況を変える必要がある」

 なお、成績面では改善していないチェルシーだが、スタッツ面では昨季から大幅に改善。今シーズンは多くのチャンスを作り出すことには成功している一方で、ゴール期待値よりも6.6ゴール少ない得点数にとどまっており、リーグ全体でワーストを記録するなど、決定力に大きな問題を抱えている。

 ポチェッティーノ監督は「努力するしかない。信頼を与え、自信を与えていく。私たちにはスカッドがあって、何も変えることはできない」と決定力改善に努めていくことを誓った。

「オーナーたちは新たなプロジェクトを作り上げることを楽しみにしていたから、失望しているだろう。でも、彼らは計画をサポートする必要がある。私たちは自信を与え、全力でサポートしていくつもりだ。選手たちはピッチ上でパフォーマンスを発揮する必要があるからね」

「パフォーマンスはいい。素晴らしいと言うつもりはないけどね。でも、ゴール前での落ち着きが欠けている。私たちは前進して、努力をし続ける必要がある。他の解決策は見つからない。自信と信頼を築くためにまた明日から始める。水曜日には得点を決められることを願っている」

 公式戦3試合連続無得点となっているチェルシーは次戦、27日にカラバオ・カップ3回戦でブライトンと対戦する。