「ARUHI presents 本当に住みやすい街大賞」とは、理想ではなく、実際にその地域で“生活する”という視点から、「発展性」「住環境」「交通の利便性」「コストパフォーマンス」「教育・文化環境」の5つの基準を設定し、住宅ローン専門金融機関であるアルヒ株式会社の膨大なデータをもとに、住宅や不動産の専門家が参画する選定委員会による公平な審査のもと「本当に住みやすい街」を選定したランキングです。
今回は2023年9月に実施した「本当に住みやすい街大賞2023 in宮城」にランクインした街について、それぞれどのような点が評価されているのか詳しく紹介します。

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富沢ってどんな街?

仙台市南部の副都心、太白区長町エリアの西南に位置する、仙台市地下鉄南北線の「富沢駅」。約4000年前から人々が暮らしていたことを示す遺跡が残るこの場所は、1987年の南北線開業を機にベッドタウンへと変貌しました。

1994年度~2016年度に実施された「富沢駅周辺土地区画整理事業」、2013年~2019年に実施された「富沢駅西土地区画整理事業」では、既存の自然環境に配慮したまちづくりを推進。商業・保育・教育・医療などの生活利便施設が駅周辺にコンパクトにまとまった住宅地に変貌したことで、ファミリー世帯を中心に人口が増加しています。

【発展性:4.75点】開発ラッシュで街が活性化、ソフト面でも住環境が向上中

「富沢駅周辺土地区画整理事業」では、2015年に富沢駅東口から徒歩約5分の場所で「イオンタウン仙台富沢」が開業、駅から1.5キロメートルほど西側で実施された「富沢駅西土地区画整理事業」では、2018年に「アクロスプラザ富沢西」、2019年に「フレスポ富沢」と2つの複合商業施設が開業し、生活利便性は一気に向上しました。

大規模な開発は一区切りついたものの、駅から徒歩約5分の場所にある2023年11月下旬入居開始予定の新築マンション「デュオヒルズ仙台富沢」は完売、駅から徒歩約9分の「ノブレス長町南ルークス」が2023年10月上旬より販売開始予定であるほか、戸建ての住宅供給も続いています。

駅から徒歩約10分の距離にある「仙台市立富沢中学校」では、今後の生徒数の増加に対応すべく、2024年3月に完成を目指して敷地内に新たな校舎を増築中です。

例年秋には親子で楽しめる祭り「とみざわマルシェ」が開催されており、地域住民の交流が盛んであることからも、住民増加による富沢エリアのさらなる活性化が期待できます。

住宅地の一角に建つ「イオンタウン仙台富沢」。スーパー、美容室、クリーニング店など、日常生活に関連した12の専門店が集積しています

【住環境:4.50点】利便性と自然の潤いを享受しながら暮らせる環境が整う

「イオンタウン仙台富沢」・「アクロスプラザ富沢西」・「フレスポ富沢」のほか、駅から車で約10分圏内には、映画館を備える「ザ・モール仙台長町」、子育て支援施設「のびすく長町南」が入居する「ララガーデン長町」、家具販売店の「IKEA仙台」など、大型商業施設が複数立地。「太白区役所」も同距離圏内にあり、生活に不自由さを感じることはほとんどありません。

富沢駅に近接する新笊川(しんざるかわ)沿いには桜の名所となっている遊歩道があり、徒歩22分ほどの場所にも500を超える桜の木が咲く「三神峯公園」があるなど、自然を身近に感じられる場所も豊富です。「富沢公園」や「大野田児童館」、「富沢児童館」など、子どもの遊び場や子育てを支援する施設も駅徒歩圏内に点在しています。

富沢駅のすぐ南を流れる「新笊川」。両岸の遊歩道沿いに桜並木があり、春は花見をしながら散策できます(画像素材:PIXTA)

【交通の利便性:4.15点】仙台駅まで座って移動が可能、車での長距離移動も便利な場所

仙台市地下鉄南北線・東西線のほか、JRの常磐線・仙山線・仙石線・東北本線・仙石東北ライン・東北新幹線・秋田新幹線、仙台空港アクセス線が乗り入れる仙台駅までは、富沢駅から仙台市地下鉄南北線で約13分。富沢駅は始発駅のため、通勤時間帯でも座って移動できる可能性が高いでしょう。

駅の東口に発着する宮城交通運行のバス「ながまちくん」にも注目です。仙台市地下鉄南北線の富沢駅・長町南駅・長町駅を囲むエリアで平日と土曜に巡回運行を行っています。「太白区役所」や「広南病院」、「カメイアリーナ仙台(仙台市体育館)」といった主要施設の前にも停車し、市民の足として親しまれています。

車の場合も、国道286号経由で都心まで最短約17分の好立地。遠距離移動の際は、目的地が海側にあるなら駅から車で約13分の仙台南部道路「長町IC」、関東や青森方面なら駅から車で約14分の東北自動車道「仙台南IC」が便利です。

【コストパフォーマンス:4.10点】長町エリアより高コスパ、駅西側は特に注目

「ノブレス長町南ルークス」以外、2023年8月時点で新築分譲マンションの情報はありません。新築戸建ては選択肢があり、3LDKで4,000万円台前半から検討可能です。富沢エリアに隣接する仙台市南部の副都心・長町駅周辺で同条件の物件を探した場合、価格は4,000万円台後半なので、富沢エリアのほうがコストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。

また、「富沢駅西土地区画整理事業」で造成された住宅地「富沢ウエストタウン」の2023年度の地価公示価格は、富沢駅近くより2割ほど安くなっています。富沢駅周辺で引っ越し先を探す際、この点も参考にしてみてはいかがでしょうか。

【教育・文化環境:3.40点】多様な学び場で子どもたちの才能を育む

富沢エリアは、仙台市の歴史を学べる施設が豊富です。駅から約1キロメートル北にある「地底の森ミュージアム(仙台市富沢遺跡保存館)」は、「富沢遺跡」から発掘された2万年前(旧石器時代)の遺跡を保存公開しているほか、発見された資料の展示を通して、当時の自然環境や人間の活動を紹介しています。

駅から1キロメートル南西には、大正から昭和にかけて仙台市内で活躍していた路面電車を未来に伝えるための施設「仙台市電保存館」があり、創業当時の1号車といった市電車両や関係資料の展示などを行っています。

温水プールやトレーニングルームなど運動施設が充実している「カメイアリーナ仙台(仙台市体育館)」では、子ども向けの運動プログラムが豊富です。国内プロバスケットリーグの試合や国際的な球技大会も不定期で開催されており、スポーツ面で子どもたちの才能を伸ばせる施設と言えます。

交通の利便性が高いため、高校や大学の進学先は広い範囲で探せることも、富沢エリアに住む良さの一つと言えるでしょう。

【選定委員会による総括】仕事・育児の両立と快適な暮らしがかなう仙台市のベッドタウン

仙台市地下鉄南北線の開業以降、富沢エリアは仙台市のベッドタウンとして成長を続けてきました。駅周辺に集積する多彩な生活利便施設と豊かな自然、始発駅であり高速道路のインターチェンジにも近い環境は、子育て世帯にとって魅力的に映るでしょう。

副都心の長町エリアに隣接する場所でありながら、住宅価格が安いところもうれしいポイント。ファミリーの増加でさらなる活性化が期待できる富沢エリアは、引っ越し先としてまず検討すべき街と言えそうです。

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