えっ…見たこと無い! 首都高に現る「謎の黄色いバイク」何するの? 警察の白バイに似てる存在とは
謎の黄バイは白バイと何が違う?
街中ではときどき警察の白バイが交通取り締まりをおこなう様子が見られますが、実は東京都内で白バイによく似た「黄バイ」が目撃されています。
では、この黄バイは一体どのような活動をおこなっているのでしょうか。
クルマを運転していると、警察の白バイが交通取り締まりやパトロールをしている場面を見かけます。
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大きなバイクを颯爽と乗りこなす様子が印象的ですが、実は東京都内には「白バイ」ならぬ「黄バイ」が走っています。
黄バイの後部には赤色灯、左右にはそれぞれ収納ボックスが設置されているほか、バイクの形状も非常に白バイと似ています。
またバイクを運転する乗務員についても白いヘルメット、青い制服という白バイ隊員のような見た目をしていますが、一体この黄バイはどのような活動をしているのでしょうか。
実は、これは首都高速道路の巡回や交通管理をしている首都高パトロール株式会社の「パトロールバイク」です。
同社では首都高速道路の落下物や交通事故への対応、そして交通情報を収集して利用者へ提供するなど多岐にわたる業務をおこなっています。
その中でも「バイク隊」は、黄バイを使って首都高速道路中央環状線にある山手トンネルの安全確保の業務に当たっています。
なぜバイク隊が山手トンネルに配置されているかというと、トンネル内で車両火災や交通事故が発生した際に迅速に対応するためです。
意外と知られていませんが、山手トンネルは全長が約18.2kmと道路トンネルとして日本一の長さであり、万が一の際にすみやかに利用者の避難やトンネル入口の閉鎖、交通整理、初期消火などをおこなわなければ被害が拡大する可能性があります。
そのためバイク隊は山手トンネルの北側にある志村基地と南側の大井基地、真ん中にある大橋基地という3か所の拠点に分かれて待機しており、緊急事態が発生した場合には最も近くの部隊が駆けつける仕組みになっています。
道路が渋滞していても、バイクの機動力によって素早く現場に向かえるのは特長の一つといえるでしょう。
実は黄バイは初の◯◯だった?
さらに黄バイは民間企業で初めて緊急指定を受けた二輪車であり、警察や消防のバイクのように緊急走行が可能です。
最近では2023年8月26日、山手トンネルで発生した車両火災の際にトンネルの入口を閉鎖しており、SNS上では「黄バイが入口を塞いでいた」との目撃情報も寄せられていました。
黄バイの車種はホンダ「CB400SB(スーパーボルドール)」で、白バイに広く採用されているホンダ「CB1300P」やヤマハ「FJR1300P」などより排気量が少ない400ccタイプのバイクです。
白バイは前方のみにスピーカーが設置されているのに対し、黄バイでは後方を走るクルマにも呼びかけができるよう、前方と後方にスピーカーが取り付けられています。
また、黄バイの左右に付いている収納ボックス(パニアケース)には緊急時に使用する発炎筒や誘導灯、救急箱。
さらにトンネル内で煙を吸わないための防煙マスク、利用者に着用させる反射ベストなどあらゆる資機材が入っています。
なお、警察の白バイには交通取り締まりで使用する交通切符や交通整理をするための停止合図灯などが入っており、車両や装備品にも違いがあることが分かります。
黄バイは緊急指定を受けて活動するバイクである以上、高い運転技術が求められます。
首都高パトロール株式会社のホームページによると、隊員は毎月1回の自主訓練や年2回の外部研修を重ねることで運転技能の向上を図っています。
隊員1人1人の努力によって山手トンネルの安全が守られているといえるでしょう。
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首都高速道路では白バイならぬ黄バイが利用者の安全確保のために活動しています。
バイク本体は神奈川県横浜市にある「首都高MMパーク」に展示されていますが、基本的に走行中の黄バイは首都高速道路でしかお目にかかれないため、レアな車両といえるかもしれません。