X(旧Twitter)は有料サブスクリプションサービスのBlue(旧Twitter Blue)を展開し、Blueユーザーに対して認証済みバッジを付与したり、リプライの表示における優先順位を高くしたり、広告収益を分配したりといった特典を提供しています。新たにXが、Blueユーザーのなりすまし対策として「自撮り写真と政府発行の身分証明書」を用いたユーザー検証システムを展開する予定だと報じられました。

X may soon add ID verification for 'preventing impersonation' | Engadget

https://www.engadget.com/x-may-soon-add-id-verification-for-preventing-impersonation-190422905.html



Verifying Your Identity on Twitter Will Require Taking a Selfie | PCMag

https://www.pcmag.com/news/verifying-your-identity-on-twitter-will-require-taking-a-selfie

Twitter to use Israeli software to require selfie, gov't-issued ID - The Jerusalem Post

https://www.jpost.com/business-and-innovation/article-755505

Twitter Blue Tests Verification With Government ID and Selfie

https://gizmodo.com/twitter-x-verification-government-id-selfie-1850756394

Xの未発表機能を複数発見してきたアプリ研究者のNima Owji氏は現地時間の2023年8月16日に、「Xが提供するアカウントのID検証」について説明したアプリ内メッセージのスクリーンショットを投稿しました。このアプリ内メッセージによると、ID検証には「政府発行の身分証明書」「カメラが使えるデバイス」が必要であり、身分証明書と自分の顔をカメラで撮影してXに送信する必要があるとのこと。



下部の注意書きを見ると、ID検証を行うユーザーは「自身の身元を確認するため、XがAu10tixという企業と生体データを含む身分証明書の画像、プロフィールの個人情報を共有すること」「なりすまし防止を含む安全保護目的で、Xが生体データを含む身分証明書の画像やプロフィールのデータを最大30日間保管・使用すること」などに同意する必要があると記されています。



Au10tixはイスラエルに拠点を置く身元検証サービス企業であり、「人間の作業を必要としないたった8秒の検証」「合成詐欺パターンを検出する世界初の技術」などをアピールしています。また、過去にはGoogleやPayPal、Uberといった企業とも協力した事例があるとのこと。

記事作成時点では、Xやイーロン・マスク氏はこの件について言及しておらず、ID検証の詳細については明かされていません。そのため、今回のユーザー検証がBlueユーザーに対して義務化されるのかどうかや、Blueユーザー以外にも影響するのかは不明です。



イスラエルの日刊英字紙であるエルサレム・ポストは、Blueユーザーに配布される既存の認証マークは詐欺師でも料金さえ支払えば簡単に入手できると指摘。そのため、詐欺師は有名人や企業とよく似た名前のアカウントに認証マークを付け、ユーザーをだまして個人情報を聞き出すといった詐欺を行っているそうです。

テクノロジー系メディアのEngadgetは、「この機能は、Xがプラットフォーム上でのなりすましに対抗する新しい方法を模索していることを示唆しています」と述べました。