下野紘さん

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「鬼滅の刃」(我妻善逸役)や「進撃の巨人シリーズ」(コニー・スプリンガー役)など、数々の大ヒットアニメでメインキャラを演じてきた大人気声優・下野紘さん。

オレンジページnetでは、8月10日より、差し入れや楽屋弁当など、声優のお仕事の舞台裏をのぞくことができる、下野紘の『現場メシお届けします。』連載がスタート! ときには共演者との様子など、ライブ感たっぷりな写真も掲載されたり!?

連載開始前に、下野さんのお仕事のこと、食へのこだわり、コラムへの意気込み……。魅力的なその素顔を前後編でお伝えします!

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ターニングポイントは「うたの☆プリンスさまっ♪」と「進撃の巨人」



ーー声優をめざしたきっかけについて教えてください!

声優になりたいと思うようになったのは、中学生のころ。ちょっとマニアックなアニメなんですけど「無責任艦長タイラー」という作品が好きになって、そこから興味を持ちはじめました。

声優さんがやっているラジオ番組やドラマCDも聴くようになって、「すごく楽しそうだなぁ!」って感じたんですよね。ドラマCDを聴きながら「ここ、明らかに台本どおりじゃないよね? アドリブでこんなに世界が広がるんだ」ってワクワクしたり……。

いま、僕もアドリブを入れるときは楽しんでやっています。そういえば、僕がから揚げが好きなんで、アドリブで「から揚げ」って言ってしまって、急遽、演じたキャラもから揚げ好き設定になったこともありました(笑)。
中学生のころに憧れた「楽しそう!」の気持ちのまま、今日まで突き進んできた感じです。

ーー21歳のときTVアニメ「ラーゼフォン」の主役に抜擢されました。

じつは「ラーゼフォン」まで、オーディションになかなか受からず「これがダメだったら声優あきらめよう」と覚悟していたんです。声優をめざしてたわりにあがり症で、子どものころから人前で表現するのが苦手だったんですよね。

いまでも覚えているのが、中3の3学期の音楽の授業。クラス全員の前でカラオケを1曲歌ったら5段階評価で4をくれる、っていうのがあったんです。うまい下手は関係なしで。そのとき「もう、無理」ってくらい緊張したのを覚えています(笑)。小論文を書くか歌うか、の選択だったので、歌うほうを選びましたが……。


ーーそれは意外な過去ですね……! 2016年からは歌手活動も始まり、ライブツアーでは、圧倒的なパフォーマンスでファンを魅了してきました。

本当に、意外ってなりますよね。舞台に立って、大勢の人の前で歌ったり、踊ったりする自分になれたのは2011年のアニメ作品「うたの☆プリンスさまっ♪」との出会いが大きいと思います。まず役として歌って踊るアイドルの経験をしたので、僕の中でスイッチが切り替わったというか、それまでになかった感じ方や考え方を吸収できました。ターニングポイントになった作品の一つだと思います。

ーーなるほど。作品との出会いで、ご自身の世界も広がっていくんですね。ターニングポイントになった作品はほかにもありますか?

いくつかあるのですが、大きなステップになったのは、30代初めに出演した「進撃の巨人」ですね。

心情のリアリティを追求する姿勢が、アニメというより舞台に近いものがあって。リアルな芝居をするための熱量や表現力が必要でしたし、セリフを言うときも「どんな思いがこの言葉を言わせたんだろう」「この言葉はどこに行き着くんだろう」といろいろと考えさせられました。

声優として成長するには、テクニカルな部分も、気持ちをつくる部分も深めていかないといけないんだな、とこの作品であらためて学んだと思います。表現の幅を広げるために「苦手と思うものにも挑戦していこう!」という気持ちにもなりましたね。
--{下野さんの気合いメシとは?}--

収録前の「気合メシ」でギアを入れています!


ーー数年前からは、ナレーターとしても数多く活躍されていますよね。

最初のころはうまく情報を伝えられているか、自分なりの試行錯誤がありました。先ほどお話ししたとおり、子どものころは緊張しがちなタイプで、国語のときにあてられて教科書を朗読するのも好きじゃなかったくらい(笑)。

そんな僕がプロの声優になり、ナレーションも楽しくさせていただいています! 人って変化していけるんだなと感じますね。いま考えると、当時はやり方がわからなかったから、緊張したり、あせったりして、うまくできなかったのかな、と。

仕事として覚悟を決めたり、気持ちを落ち着けて臨むって大切なんですよね。ナレーションは長時間語りますし、そうなるとカロリーも必要。収録の前に気合メシを食べて、ギアを入れています!

ーー気合メシ!? その発想はテンション上がりますね〜。

ですよね? 気合メシというか「気合を入れなきゃメシ」という感じなんですけど。ナレーションだけじゃなく、ライブのリハーサルや叫ぶことの多い役の前には「よし、まずは食べよう!」という気持ちになるんです。


ーー食べるお店や具体的なメニューは決まっているんでしょうか?

〈実之和〉の「豚しゃぶポン酢定食」! これに「鶏ももの唐揚げ」をプラスするのが定番の気合メシです。看板メニューのかれー麺も好きなんですが、収録前はスタミナ重視で、肉をチョイスしてます。
本当に本当においしいので、みなさんにも食べてみてほしいです!

ーーおいしいものの話になったところで、オレンジページから連載オファーがあったときの率直なお気持ちは?

料理が好きなので、『オレンジページ』は知っていましたし、うれしかったです!

コラムを書くのはこれが初挑戦。どうすればおもしろくなるか、いろいろたくらんでいきたいです。オファーをいただいてからは、とにかく行く先々でパシャパシャ写真を撮っています。

これまで味にこだわるあまり、「できたてを食べたい!」ってすぐに食べちゃってて、料理の写真ってあんまり撮ってこなかったんです。「みんなどうしてそんなにおいしそうに撮れるんだ〜!」ってそこからです(笑)。


ーーでは、連載への意気込みと読者へのメッセージをお願いします!

やるからには毎回楽しみにしていただける内容にしたいし、これまでSNSに上げてこなかった、新たな僕の一面を知ってもらえる話もしていきたいと思っています。

甘いものも大好きなので、そのあたりもどんどん紹介していこうかと。現場の雰囲気、声優仲間との交流など、どんなエピソードをお届けできるかは、毎回のお楽しみ。

新たなチャレンジとして僕もドキドキしながら楽しんでいきますので、読者のかたもいっしょに盛り上がってもらえたらうれしいです!

下野 紘(しもの・ひろ)
4月21日 東京都生まれ。アイムエンタープライズ所属。
2001年に声優デビュー翌年、2002年にはアニメ「ラーゼフォン」で主役の神名綾人に抜擢される。
アニメの主な出演作品は「僕のヒーローアカデミア」荼毘 役、「進撃の巨人シリーズ」コニー・スプリンガー 役、「鬼滅の刃」我妻善逸 役、「ONE PIECE」光月モモの助などがあり、ほかにも「CDTVライブ!ライブ!」でナレーションを務めるなどアニメ以外でも幅広く活動している。

インタビュー内で紹介した下野紘さんの気合メシ


【麺酒房 実之和/豚しゃぶポン酢定食】

柔らかい豚しゃぶ肉とポン酢ダレは間違いない組み合わせ。
その日の気分で、おろしダレかゴマダレどちらかをチョイス!
https://minowafoods.com/