「アートメイク」の種類や施術内容などを医師が解説

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 多くの女性はナチュラル美人に憧れるもの。加えて、普段のメイクが楽になったり、すっぴんでもメイクしているように見えたら、うれしいのでは。そんな女性に注目を集めているのが「アートメイク」。コンプレックスを持った部位も理想の形を手に入れることが可能に。そこで、こころと美容のクリニック東京の大和行男医師に、気になるアートメイクについて聞いた。

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 施術方法や部位によって異なるが、一般的には“眉”のアートメイクには2D、3D、4Dの3種類がある。“リップ”はリップラインとフルリップの2種類。

 さらに「アートメイク」には手彫りと機械彫りの2種類の技法がある。自分に合った施術方法やデザインを選ぶことで、理想の仕上がりに近づけることが可能。大和医師によると、現在は手彫りをするアートメイク施術者が多い傾向にあるという。

 どちらも皮膚に針を使って色素を入れる施術だが、いくつかの違いがある。主な違いは以下のとおり。

・針を入れる深さ:

アートメイクは皮膚の表皮層に、タトゥーは皮膚の真皮層に色素を入れる。そのため、アートメイクは数年で色が薄くなりるが、タトゥーは半永久的に色が残る。

・目的:

アートメイクは眉毛やまつ毛、口唇などの悩みをカバーしたり、メイクの時短を目的とする人が多い。一方、タトゥーはおしゃれやファッションの一部として彫る人が多い。

・施術者:

アートメイクは医療行為という位置付けで、医師か医師の指示を受けている看護師しか施術ができない。タトゥーには明確な資格はなく、彫師と名乗れば誰でも施術できる。

・リスク:

アートメイクよりもタトゥーの方が深い位置に針を入れるため、感染症やアレルギー、内出血、ケロイドなどのリスクが高くなる。また、タトゥーは一度彫ったら消すのが難しいため、デザインや色に後悔する可能性も。

 アートメイクの施術は、麻酔を使用することで痛みをほとんど感じないとされている。ただし、部位や技法、体質や体調によって痛みの感じ方には個人差も。一般的には、眉は眉毛を抜く程度のチクッとした痛み、アイラインやリップは皮膚が薄く神経が多いので痛みを感じやすい部位。痛みに弱い方や不安な人は、カウンセリング時にスタッフに相談を。

「麻酔薬に用いられる表面麻酔薬にも種類がいくつがあり、あまり痛みに強くない方の場合には少し鎮痛作用の強い表面麻酔薬を使用することも可能です。また、施術中もこまめに痛みの程度をお聞きし、アートメイク施術の深さを調整することもできます」

 逆に、あまり痛みを感じないという人は、肌に侵襲性のある美容施術になるため、施術後12時間は洗顔や通常のメイクアップを控え、肌の感染予防をしてほしいと、大和医師。

 施術から12時間過ぎれば、刺激の少ない保湿液や化粧液の使用が可能。

「アートメイク実施して1〜2日は腫れもあり、眉や唇が大きく見えますが、自然と落ち着きますので、木曜午後や金曜午後の施術が良いタイミングだと思います」

 部位や技法、クリニックによって異なるが、眉毛アートメイクの場合は、約7万円から17万円ほどが相場。ただし、施術回数や施術者のランク、麻酔代やメンテナンス費などが料金に含まれているかどうかも確認する必要が。

「特に、アートメイクの場合は施術者が一定の回数の施術を実施したbefore-afterの症例写真を提出することで得られる“ディプロマ”という制度がありますので、アートメイク施術者がディプロマを持っているか確認も大切です」

■施術をする前の注意点

 アートメイクをする前に知っておきたい注意点は、以下のとおり。

・アートメイクを受ける部位の皮膚に炎症や傷がないこと

・アレルギーがないこと

 …金属アレルギーやアトピー体質、ケロイド体質などはアートメイクに適さない場合がある

・他の美容治療を受けていないこと

 …美容整形やレーザー治療、ボトックス注射などはアートメイクと併用するとトラブルの原因になる可能性も

・紫外線対策をすること

 …施術前2週間から日焼け止めや日傘、帽子などで紫外線を避けて。紫外線は色落ちの原因に。

 ほかにも、自分に合ったクリニックやデザインを選ぶことが大切。「アートメイク」は1〜2年持続するものなため、後悔しないように慎重な判断が必要だ。

「アートメイクの場合、流行に敏感な女性の場合、『リタッチ』という他のアートメイク施術者に微調整を加えてもらう場合もございます。また、アートメイク自体を他の美容手技(例えばピコレーザーのトーニングで薄くし、時代の流行に合う眉の形にアートメイクしなおすこともできます。カウンセリングの際に、理想の眉やアイライン、リップの形や色などを憧れの芸能人やモデルさんの写真を持参され、よく相談なさってくださいね」

【監修者プロフィール】

こころと美容のクリニック東京院長。女性中心にアートメイクを含めた美容皮膚科施術を行なっている。メインは児童精神科、思春期美容皮膚科。