今回は出航直後には故障しなかったみたい。

秋ごろに完全復帰の予定

 イギリス海軍は現地時間の2023年7月21日、空母「プリンス・オブ・ウェールズ」の任務再開の準備が整ったと発表しました。


ロサイスのドックから出た「プリンス・オブ・ウェールズ」(画像:イギリス海軍)。

 約9か月に及ぶ修理と大幅な能力強化を受けた同艦は、スコットランドのロサイスにある乾ドックから出てフォース川に入り、母港のポーツマスへの帰路につきました。
 
 同艦のリチャード・ヒューイット艦長は「私たちは英国海軍のためにこれまでに建造された最も先進的な軍艦として、HMS プリンス オブ ウェールズを作戦に復帰させます。2025年の世界展開に向けて海軍航空と英国空母攻撃能力の限界を押し広げます」とスピーチしました。

 同艦に関しては、故障が多く950日以上にわたり、空母としての任務についていません。2022年8月にアメリカへ演習へ向かう際、数キロ航行しただけで故障したときは、同国国営メディアのBBCに「プリンス・オブ・ウェールズが、アメリカへ演習に出発した直後に故障し、足を引きずりながら岸に戻ってきた」と書かれるなど、度々同艦の問題はネタにされています。

 最近では、姉妹艦である「クイーン・エリザベス」の部品のために「共食い」されているのではないかとの疑惑もあがり、ベン・ウォーレス国防相が共食いではなく、軍艦ではよくある応急処置的な部品供給であるとし、秋までの航行再開を強調していました。

 これから同艦は推力試験を行った後、ポーツマスで飛行甲板の整備をした後、秋ごろにはアメリカに派遣されるそうです。