ビッグモーター新社長が初仕事 国の聞き取り対応 道路運送車両法違反の疑い 国交省「ひとつひとつ確認する」
ビッグモーターの兼重宏行氏から後を継いだ和泉伸二新社長の初仕事は、国交省からの聞き取り対応となりました。数々の悪質な手口が道路運送車両法に違反する疑いがあります。前途は多難ですが丁寧な対応が求められます。
全社員にLINEアカウントの削除を命じた翌日、国交省のヒアリングに臨む
国土交通省自動車局は2023年7月26日、法令に基づくヒアリングをビッグモーターに要請。呼出に応じた新経営陣が聴取に応じました。
国交省のヒアリングにのぞむ和泉伸二新社長(中島みなみ撮影)。
「この度はたいへんお騒がせをしております。まことに申し訳ありません」
同日付けで新社長に就任した和泉伸二氏は、冒頭でこのように謝罪し、石橋国光副社長、陣内司管理本部長ら5人と、数秒間頭を下げました。
前日の兼重宏行前社長が「ゴルフを愛する人への冒涜で許せない」と、激しく社員の行為を断罪したゴルフボールでの車体の損壊など、同社が依頼した弁護士の調査報告書で明るみになった悪質な手口は、道路運送車両法に違反する疑いがあります。国交省自動車局の村井村井昭信整備事業指導官は「事実関係をひとつひとつ確認する」と、向き合っています。
しかし、和泉氏は前日の会見後に、専務名で一斉送信で行っていたLINEの情報共有を取りやめることを通知。全社員にLINEのアカウントを削除することを命じました。SNSなどによる社内情報の流出を怖れたためではないか、と見られています。
また、兼重前社長が会見で、法令違反をした社員を調査し、器物破損で刑事告訴すると発言した後に撤回したことについても「告発を封じるための圧力と感じた」と話す関係者もいます。
「行政に対しての対応を優先させて頂いて、できるだけ早く現場回り開始したい」と、アカウント削除を命じたメッセージの中で社員に語りかけた和泉氏。実現に向けた前進は簡単ではありません。