東京都瑞穂町は、多摩都市モノレールの延伸を見据え、箱根ヶ崎駅周辺などを対象としたまちづくり構想案をまとめました。新駅周辺はどのように変わるのでしょうか。

東京都瑞穂町が新駅周辺の「まちづくり構想」策定へ

 東京都瑞穂町は2023年7月、多摩都市モノレール新駅周辺まちづくり構想(案)をまとめました。モノレールの延伸で町内に新駅が2駅整備されることを見据え、駅周辺まちづくりの方向性を示すものとなっています。


多摩モノレール(画像:写真AC)。

 多摩都市モノレールは、上北台駅(東大和市)から約7.2km北西へ、新青梅街道沿いにJR八高線の箱根ヶ崎駅までの延伸が予定されています。新駅は7駅整備される予定で、瑞穂町内ではJR箱根ヶ崎駅の東側付近と、横田基地に近い殿ヶ谷・武蔵地区付近を想定しています。

 新駅が設けられる箱根ヶ崎は現在、JR八高線の単独駅で、朝夕のラッシュ時は1時間あたり3本運行されていますが、日中は2本しかありません。ここへモノレールが乗り入れ、利便性が格段に向上する見込みです。

 ただ同一の駅ではなく、モノレールの駅は若干離れるため、町は新たに生まれる乗換流動を活かした市街地の再整備を目指しています。
 
 JR箱根ケ崎駅東口は瑞穂町の中心市街地であるにも関わらず、商業・業務機能が不足していることが指摘されています。まちづくり構想では、東口駅前広場の上空に、JR駅舎とモノレール駅舎を結ぶ連絡通路を設けることを明記し、イメージ図も公開しています。周辺に商業・業務機能を集積し、回遊性の向上などを図る方針が盛り込まれました。病院やスーパーなどを誘致することも視野に入れています。
 
 また、箱根ケ崎駅西口では、瑞穂町が所有する2か所の公有地を活用し、市街地の活性化を目指すとしています。町内にはモノレール延伸時に耐用年数を迎える公共施設が多数存在するため、これらを「西口の顔」として駅前に再整備する方針です。
 
 殿ヶ谷・武蔵地区付近の新駅周辺では、殿ヶ谷地区で工業・流通団地を形成するほか、武蔵地区で「健康・スポーツ」「医療・福祉」「環境・エネルギー」「危機管理」など、成長産業を中心とした研究開発拠点を整備する方針。このほか、起業家を育成するインキュベーションオフィス、スマート農業関連施設、バスやタクシーが発着する交通広場、体育館などの整備が盛り込まれています。また、駅前の顔となるロードサイド型の飲食関連店舗も誘致するとしています。