「レオパルト1」戦車 戦闘激化のウクライナに供与したと公表 ドイツ
T-62やT-55相手なら十分な強さを持っているかと。
6500両あまり作られた戦後ドイツの名戦車
ドイツ政府は2023年7月20日、ウクライナに「レオパルト1」戦車を10両供与したと初めて公式に発表しました。
供与したのは「レオパルト1」シリーズのなかでも最も性能向上が図られた1A5型です。すでに今年(2023年)2月、ドイツは200両弱のレオパルト1A5戦車を供与すると明言していましたが、その後供与されたとの発表はなく、一部報道では引き渡し済みとのいう話もあったものの、ドイツ政府が公式に認めたのは今回が初めてになります。
レオパルト1A5戦車(画像:KMW)。
「レオパルト1」は、ドイツが第2次世界大戦後初めて制式化した国産戦車で、1950年代後半に開発がスタートし、1960年代前半より量産・部隊配備が始まっています。当初は単に「レオパルト」と呼ばれていましたが、1970年代初頭に「レオパルト2」の開発が始まったことで、本車にも「1」という数字が追記されるようになり、改修型として生まれたレオパルト1A1以降のモデルは、レオパルト1A3やレオパルト1A5などといった形で表記されるようになっています。
1984年までに6500両余りが製造されましたが、冷戦終結と、より高性能な「レオパルト2」の充足によって2003年にはドイツ陸軍から全車退役しています。しかし、ギリシャやブラジルなど一部の国ではまだ現役で、さらに予備兵器として前出の3か国などに保管されていたことから、ロシアがウクライナに攻め入ると供与兵器のひとつとしてリストアップされるようになりました。
今後は、現役復帰に向け整備が完了した「レオパルト1」戦車が逐次ウクライナに供与される予定のため、右肩上がりで台数が増えると思われます。
※脱字を修正しました(7月24日13時20分)