羽田アクセス線「西山手ルート早期開業を」埼玉県が要望 東山手ルートとダブルで羽田アクセス? 狙いは
埼玉県は、国への2024年度の要望に「羽田空港アクセス線西山手ルートの早期着工に向けた支援」を盛り込みました。ただ、埼玉からの羽田アクセスが拓ける東山手ルートは着工済み。西山手ルートには別の期待を込めています。
西山手ルートで川越線などの利用者増を期待
埼玉県は2023年6月、国への2024年度の要望に「羽田空港アクセス線西山手ルートの早期着工に向けた支援」を盛り込みました。いまだ不透明な西山手ルートの計画を動かしたい意志を見せています。
川越線を走る車両(画像:写真AC)。
羽田アクセス線をめぐっては、東京駅や新橋駅方面から羽田空港に向かう「東山手ルート」が6月に本格着工しました。宇都宮線・高崎線・常磐線方面から羽田空港への直通運転が2031年度に実現する予定です。
その「東山手ルート」以外にも、羽田アクセス線は新宿方面への「西山手ルート」と新木場方面への「臨海部ルート」が計画されています。ただ、「西山手ルート」と「臨海部ルート」はJR線ではない東京臨海高速鉄道りんかい線を経由することが課題となっており、実現に向けて国や東京都などの関係者と協議が必要となります。
JR東日本は「西山手ルート」に関して「現時点で事業スキームやスケジュール、輸送計画などは全て未定」(広報部)としており、実現の目途は立っていません。今回の要望は、こうした状況を打開すべく、埼玉県が早期着工に向けて国に支援を求めた形です。
埼玉県は要望にあたって、「羽田空港アクセス線の新設は、県の広域交通ネットワークの充実にとって大変重要な事業」と指摘。「特に西山手ルートは、埼京線を通じて川越線との直通運転が実現することにより、川越線をはじめとした県内路線の利用人員の増加、それに伴う沿線地域への経済効果が期待される」としています。
宇都宮線・高崎線との直通が想定されている東山手ルートで、埼玉からの羽田アクセスは現状よりも飛躍的に充実します。これに加えて西山手ルートを整備することで、川越線をはじめとした県内路線の活性化を期待しているようです。