トンネル? いや“網”… 高速道路をすっぽり覆う巨大構造物 何のため?
トンネルのようだけど、スノーシェッドでもない、明らかに“網”……そんな道路全体を覆う構造物が全国で目撃されています。一体何なのでしょうか。
航空写真を見ると分かる「網のトンネル」
東京練馬から続く関越道はしばらく平野を走ります。トンネルあるいはトンネルらしき構造物は、都県境に近い旭ヶ丘シェルター(住環境保護のための覆い)を抜けると群馬の山間部までありませんが、1か所だけ、「トンネルなの…?」と思わずにはいられない妙な構造物を通過するか所があります。
高速道路を覆う網のトンネルの例(ドラレコ画像)。
それは、物々しい支柱が組まれて道路をすっぽりと覆っている“網”です。雨も通すので、明らかに騒音などの対策でもありません。
これがあるのは、埼玉県内の高坂SAと東松山ICのあいだ。ちょうど、山の際を切り開いて道路を通している区間です。網のトンネルの理由は、航空写真を見るとわかるかもしれません。
この区間はゴルフ場のすぐそばを通っています。つまり、この網のトンネルはゴルフボールが高速道路に飛んでくるのを防ぐためで、「飛球防護柵」なる名称もあります。
この飛球防護柵は各地に存在しており、新東名、新名神、東海環状道、東海北陸道などでも見られます。かつては首都高でも、ゴルフ練習場の近くを通る箇所に設置されていました(現在は練習場自体が再開発で消滅)。ゴルフ場が多い東松山周辺では、小川町内の国道254号バイパスにも飛球防護柵が設けられています。
一方、ゴルフ以外の目的でも同様の防護柵が設けられることがあります。圏央道では、平野を貫く高架区間で、野生動物の生育環境保護を目的に設置されている箇所があります。