落札額2億円超えの大物ラケダイモーン「血統的にクラシックに乗せないといけない馬」
厳選!2歳馬情報局(2023年版)
第3回:ラケダイモーン
2017年のGI日本ダービー(東京・芝2400m)、2018年のGI天皇賞・秋(東京・芝2000m)とGI2勝をはじめ、現役時代に重賞通算5勝を挙げたレイデオロ。引退後、種牡馬となった同馬の初年度産駒が今年デビューを迎える。
そのなかに、大きな話題となっている馬がいる。栗東トレセンの須貝尚介厩舎に所属するラケダイモーン(牡2歳/父レイデオロ)である。
レイデオロの初年度産駒のなかでも、特に注目を集めているラケダイモーン
2022年セレクトセールの1歳セクションに上場された同馬は、2億2000万円(税別)という高値で取引された逸材。それも、多くの名馬を所有してきた金子真人ホールディングスが落札したとなれば、注目を集めるのも当然のことだろう。
無論、それだけの高値がつくのだから、その血筋も一級品。母ラルケットは現役時に4勝を挙げ、繁殖牝馬となってからも活躍馬を次々に送り出している。
2015年に産んだステルヴィオ(牡/父ロードカナロア)は2歳時から重賞戦線で好成績を残して、3歳春にはGIIスプリングS(中山・芝1800m)を勝利。クラシックでは善戦止まりに終わったが、秋には古馬相手にGIマイルCS(京都・芝1600m)を制して戴冠を遂げた。
2020年に産んだウンブライル(牝3歳/父ロードカナロア)は、2歳時にオープン特別を勝ったあと、3歳となった今年、GIIニュージーランドトロフィー(中山・芝1600m)で2着、GINHKマイルC(東京・芝1600m)でも2着と好走。今後もさらなる飛躍が期待されている。
それら優秀な兄姉を持つラケダイモーン。現在は、須貝厩舎でデビューに向けて調整を重ねている。間近で見ているスタッフはどう評価しているのか。関西競馬専門紙のトラックマンが話を聞いてきた。
「厩舎スタッフはラケダイモーンについて、『血統的にクラシックに乗せないといけない馬』と気持ちのこもった口調で話していました。体つきやその動きからして、『距離の融通は利きそう。長くいい脚が使えそうなイメージがある』とのことですから、活躍した兄姉よりも長い距離にも対応できるかもしれません」
現段階の仕上り具合や今後の成長については、先述のトラックマンがこう分析する。
「まだまだこれから成長していきそうな雰囲気があります。スタッフも『伸びしろは相当ありそう。今後、さらに力をつけてくれれば』と言及。陣営としては、ある程度早めのデビューを視野に入れつつ、もうひとつ上のレベルを目指していく可能性もあるのではないでしょうか」
新種牡馬レイデオロの大物ラケダイモーン。デビュー戦でどんな走りを見せるのか、楽しみにしたい。