初心者からレース参戦者まで気軽に立ち寄れる大型専門店

(株)レーシングワールド(TDB企業コード:400930583、資本金4750万円、大阪府摂津市鳥飼和道2-8-5、代表舩木健一郎氏)は、6月1日に大阪地裁へ自己破産を申請し、同日に破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は野村祥子弁護士(大阪府大阪市中央区北浜2-3-9入商八木ビル2階、堂島法律事務所、電話06-6201-0444)。

 当社は、1996年(平成8年)8月に前代表が個人経営するオートバイ用品専門ショップ「レーシングワールド」の東海地区の販売拠点として設立。タイヤ、ホイール、マフラーなどのカスタムパーツや、ヘルメット、レーシングスーツ、グローブなどを取り扱うほか、中古部品の買い取り・販売も手がけていた。また、オイル交換や車検、ETC取り付けなども行い、初心者からレース参戦者まで幅広いユーザーが気軽に立ち寄れる大型専門店として相応の知名度を獲得。ピーク時には本店のほか兵庫県伊丹市や千葉県市川市、名古屋市内などに計6店舗を展開し、2006年5月期には年売上高約25億円を計上していた。

店舗閉鎖が相次いでいた

 その当時、株式公開を目指して全国各地に10店舗以上の出店を予定していたものの、同業他社との競合も厳しく、来店客数の減少から相次ぐ店舗閉鎖を余儀なくされ、2011年5月期の年売上高は20億円を下回る水準にまで減少。人件費などのコストも重荷となり収益性が低迷するなか、厳しい資金繰りが続き、金融機関に対して借り入れの返済条件の変更を要請していた。

 その後も業績悪化に歯止めがかからず、一部取引金融機関が債権をサービサーに売却する事態に発展。本店をはじめとする所有不動産の売却などリストラを進めていたものの、相次ぐ従業員の退職や取引先への支払い遅延が発生し信用不安が表面化していた。

 さらに、2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により書き入れ時の大型連休期間の売り上げが消失したことで、2020年5月期の年売上高は約5億5000万円にまで減少。以後、イベントやセールの開催などで集客を図り資金を繰り回していたものの、ここへ来て限界に達し2023年5月29日に事業を停止していた。

 負債は申請時点で債権者約210名に対し約6億5000万円。

 なお、関係会社の(株)ダックスコーポレーション(TDB企業コード:580806305、法人番号:6120901009626、同所、同代表)も同日に事業を停止している。