食事する気になれない、わが家のカウンターキッチン。3年でついに物置と化す
「おしゃれに食事をしたい」「インテリアのアクセントに」…。家づくりで夢を抱いて、キッチン対面にカウンターを計画する際は、ご注意を。3年間で食事に利用したのは10回ほど。今では物置としてカウンターを使うことになってしまった日刊住まいライターが、その経緯をレポートします。
カウンターがあれば、おしゃれな朝食を楽しめる!?
もともと、ローテーブルで食事をとる派だったわが家。3年前、30代で新居を建てる際、ダイニングテーブルはいらないと思っていました。
とはいえ、ダイニング的なインテリア要素がないのもさびしい…。そこで、テーブルを置く代わりに、カウンターキッチンを採用することにしました。軽食をさっと食べるにも便利だろうと計画。
リビングにカウンターがあれば、なんだかおしゃれだな。そんな安易な気持ちもあっての家づくりでした。しかしその結果は…。
入居して3年、今、カウンター部分は物置と化しています。
食事するためにつくったのに、食事する気になれない!
こちらは、入居前のカウンターキッチンの様子です。実際、カウンターはとてもおしゃれなできばえとなりました。ダイニングテーブルがない分、リビングがとても広く使えるのも目論見どおり。
一見、成功したかに思えたのですが…。どうもカウンターで食事をする気になれないのです。
これまでの3年間、実際にカウンターで食事をしたのは、10回程度だと思います。なぜ、カウンターで食事する気になれないのか。以下のような理由があります。
●カウンターの奥行きが狭かった
わが家のカウンターは幅180cm、奥行き30cmです。大きなお皿を置くと、ちょっと奥行きがたりないんですね(食事するカウンターは、通常50cmほどの奥行きが必要)。
もちろん、食事はできます。しかし、奥行きがないところに、無理して料理を並べると、やっぱり圧迫感が出るのです。バーや喫茶店のように、飲み物だけいただく分には違和感ないのですが、食事となると、どうもしっくりこない。
窮屈なところでは、やはり食事が楽しめません。これでは、せっかくの料理も台なしに。
●カウンター前に座ると、テレビが後ろにきてしまう
わが家の間取りでは、カウンターに座ると、リビングにあるテレビが、背後にくることになります。
夫は、食事中に絶対テレビを観たい派。カウンターで食べると、テレビを観ることができないので、軽食でもほぼ使わなくなりました。
食事に使わない結果、徐々に物置に
食事で使わないのなら、お気に入りのものをディスプレイして活用しよう! 気持ちを切り替えた筆者。当初は、お酒をディスプレイ。カウンターは、大人の雰囲気を醸し出していました。
しかし、いつの間にか、お気に入りをディスプレイする場所は、ものを気軽にちょい置きする場所へ変貌していました。
筆者はもともと、文房具、リモコンなど使用頻度の高いものを収納ボックスに入れる習慣にしていたのですが…。だんだん、このカウンターに気軽に置くように。
そうなるともう、雪だるま式にものが増えていきます。書類やお菓子などを、ポイポイと置きはじめ、どんどん生活感が、カウンターに出始めました。
おしゃれな生活をするつもりでつくったのに、なぜこんなことに!
たまに、初心に帰ろうとしますが、生活態度は改まりません。筆者が悪いのではないのです。カウンターが、ものを仮置しやすい位置と高さにあるのが、悪いのです。
わが家の場合カウンターは、リビングの出入り口付近にあります。帰宅の際に、持ち込むものと、ポンと置きやすいのも悪いのです。だから、郵便物や書類は必ずここに仮置きされてしまうのです。
仮置したものは、毎日片づければすむ話。でも、それがなかなかできない筆者。雑貨、しまう場所が決まってないもの、行き場のないものが、どんどんたまっていく!
結果、カウンターは見事に物置と化しました。
そういえば、実家のカウンターも物置きでした。収納が少ないからと、カウンター下に収納を備えていたのに、カウンター下収納よりもカウンターの上がものだらけでした。
カウンターがあるマンションに住んだ友達も、「カウンターっていいなと思って住んでたけど。すぐに物置になった」と言っていたのを思い出しました。
カウンターは危険! 意識して片づけないと、そもそも物置と化すリスクがあるのではないでしょうか。
現在はサイドテーブルとして活躍
物置として生まれ変わった(?)カウンター。今では、ダイニングテーブルのサイドテーブルとしても、活躍してくれています。
そう、結局、ダイニングテーブルを筆者は買うことになったのでした(一時期までは、ローテーブルで食事を。その後、犬を飼うこととなり、食事のジャマをされないよう、ダイニングテーブルの生活に)。
カウンター上には、食事のとき使う調味料を置いたり、リモコンやハサミなども置いたり。
わが家では、たこ焼きやお好み焼きなどといった、ホットプレートを使う料理をよくします。そんなときも、カウンターに材料を置けるので、テーブルを広く使えて便利。
カウンターにはいろいろとものを置くことになってしまいましたが、逆に言えば、ものをすべてここに集約できています。そのおかげで、ダイニングテーブルの上とその隣のリビング空間は常にすっきり。
カウンターは物置のような使い方になりましたが、今は「ここだけ物置になれば、ほかの場所はきれいになる」と割りきった筆者でした。
「おしゃれだからカウンターをつくりたい」「カウンターでごはんを食べよう」と家づくりを計画している方は、慎重に。筆者の失敗談を参考にしていただけたら幸いです。