住宅ローンの金利上昇で増すお金の不安。「もし返済が厳しくなったら?」、「貯蓄とのバランスは?」など、お金にまつわる心配事はつきませんよね…。ここでは、そんな疑問について、ファイナンシャルプランナー・いちのせかつみさんに伺いました。

住宅ローン返済が厳しくなったらどうすべき?

金利の上昇などで、もし住宅ローンが返済できなくなったらどうすればよいのでしょうか。

●無理せず、すぐに銀行に相談を

「住宅ローンの返済が苦しくなったときは、融資先の銀行に相談を。黙って支払いをストップすると支店長の減点になるので、向こうも避けたいところ。対策を考えてもらえます」

たとえば、「子どもが大学生で教育費がかさむ」と伝え、「学校に行っている間の返済は利息だけでいい」と提案されたケースも。利息分を支払えば、借入総額が増えないので安心。

 

●絶対にやってはいけないのは、別からお金を借りること

「絶対にやってはいけないのは、返済のために別からお金を借りること。カードローンなどで一時しのぎをすると、高利の返済でどんどん苦しくなって借金地獄に陥ります」

また、急に「今月払えない」と伝えても銀行が対応できないので、早めに相談するのも大事なポイント。

「長く無理を重ねると、子どもに夢を諦めさせるなど、どこかにひずみが出ます。恥ずかしいなどと思わず、堂々と相談に行きましょう」

もっと知りたい住宅ローンQ&A

なにかと分からないことの多い住宅ローンのなかでもよくある疑問について、いちのせさんに教えてもらいました。

●Q:繰り上げ返済と貯蓄のバランスはどう考えればいい?

A:繰り上げ返済に励みすぎて手元に貯蓄がなくなると、家族の病気や予想外に教育費がかさんだときなど、不測の事態に対応できません。繰り上げ返済をするなら、いざというときのお金(手取り月収の3か月〜半年分)を確保し、教育費など目的別の積み立てをしたうえで、余った貯蓄の範囲にとどめて。

●Q:老後を考えると賃貸より家を買うべき?

A:人生100年時代の今、「家を買っても100歳まで元気で住めないし、補修にお金も必要。売却も難しい。借家でお金をセーブし、年を取ったら施設に入った方が安心」という考えが主流になりつつあります。家を買うなら将来柔軟な選択ができるように、価値が下がりにくい便利な立地の中古物件がおすすめ。