スマホやスマートスピーカーを使って、家電や住宅設備をIot化したスマートハウス。住み始めてからでも、実現することは可能です。3年前にハウスメーカーで家を建てた日刊住まいライターは、スイッチボットとアレクサを駆使して、リモコンいらずの生活を実現しました。かかった費用はわずか3万円。その快適さをレポートします。

複数の赤外線リモコンの機能が、スマホ1台の中に

筆者は、夫と娘2人、そしてネコ2匹と一緒に暮らしています。3年前にハウスメーカーで、オール電化住宅を建てました。

最近、エアコンのオンオフを自動化、遠隔操作したいと、スイッチボット(人が手動でオンオフしている物理的なスイッチやボタンなどを、操作するロボット)を購入したことで、家のスマートハウス化に成功しました。

スイッチボットハブミニ(家電リモコンの一種。赤外線通信ができるリモコンを登録すれば、スマホのアプリ上で操作が可能に)があれば、いちいち複数のリモコンを操作せずとも、スマホ1台で家電を操作できます。

筆者宅はリビングに1台、寝室に1台、計2台のハブミニを設置しています。ハブミニのおかげで、出先からもエアコンのオンオフが可能になりました。

寒い日に家族で出かけても、帰る30分前にエアコンをオンしておけば、暖かいリビングが迎えてくれるようになり感激。きっと夏も、涼しい部屋に帰ってくることができるはず。

 

スマートホーム化するための購入費用は全部で約3万円

こちらが今回、わが家をスマートハウス化するために購入したものです。写真左から順番に名称と、おもな役割を紹介しておきます。

・エコードット(スマートスピーカー、家電や照明の音声操作が可能になる)1個
・エコーショー(スマートディスプレイ、家電や照明の音声操作が可能になる)1個
・スイッチボットハブミニ(赤外線リモコンを一括管理できるデバイス)2個
・プラグミニ(リモコンのない機器を操作&使用電力も計測できるプラグ)1個
・温湿度計(温度・湿度を計測。ハブミニと連携させると温度・湿度でエアコンのオンオフなどが可能になる)2個
・スイッチボット(遠隔操作で家電や設備のボタンを押すことができる指ロボット)1個

Amazonのセールを利用し、これらすべてを合わせて3万円弱で購入できました。筆者は、ハブミニと温湿度計を別々に購入しましたが、現在はハブミニと温湿度計が一体になったものも発売されています。

 

温湿度計とエアコンを連携した操作が便利

ハブミニと一緒に温湿度計も使用しています。室内温度を常に計測しており、ハブミニと連動させることで室温によるシーン設定も可能です。

筆者宅では、リビングの室温が15℃を下回るとエアコン暖房がオンになる設定にしています。また、寝室にも同じように温湿度計を置き、こちらは室温20℃を超えるとエアコン暖房がオフになるよう設定しています。夏は冷房を同じように温度管理で設定していく予定です。

筆者宅は全館空調ではなく、エアコンは間欠運転で使用しています。しかし、この設定のおかげで部屋はいつも快適な温度を保てています。

スマホアプリで音声操作も可能

スイッチボットはスマホのアプリでの操作ですが、スマートスピーカーのアレクサなどと連携させることで音声操作も可能になります。アレクサなら、子どもたちも操作できます。

たとえば「アレクサ、エアコンつけて」「アレクサ、テレビつけて」と言えばスイッチオンしてくれるので、家事やその他作業で手があかないときや手元にリモコンがないときでも家電を操作できるのはとても便利です。

子どももおもしろがってアレクサに話しかけますが、小さい子どもだと滑舌が悪くて聞き取ってもらえないこともあります。はっきり話す練習にもなるかもしれませんね。

 

消費電力を計測、節電にも役立つ

スイッチボットプラグミニは、コンセント部分でオンオフを行うデバイスです。サーキュレーターやリモコンのないデスクライトなど、オンオフの機能しかない家電に使うと便利です。

このプラグミニ、あまり使いどころがないと思われがちですが、つなげておくと家電の消費電力を見える化できるので、筆者宅ではトイレの電源(写真)に使っています。

トイレの消費電力を計測したところ、1日約1.4kWh消費していることがわかりました。電気代にして1日約39円(1kWhあたり28円換算)ほどかかっている計算になります。そこで、この冬は少しでも節電するために、2階のトイレの電源をオフにしました。

 

温度を管理するためには、デバイスの置き場所に注意を

ハブミニは赤外線リモコンの代わりを果たすので、部屋中が見渡せる場所に置いています。ハブミニと一緒にアレクサと温湿度計も設置。

エアコンの動作を制御するハブミニと連動する、温湿度計の置き場所にも注意が必要です。手元のスマホに表示される温度を参考にしながら、エアコンの温度調節するなら、室温を正確に計測する必要が。そのため、日当たりのよい場所や暖房器具のそばに置くのは、好ましくありません。

上の写真は、寝室の書斎カウンター。ほぼ使われていないこの場所が、ハブミニや温湿度計の置き場所としてちょうどよく、有効活用できています。

リアルスイッチでの操作に慣れた場所には不向き

スイッチボットにはスマート電球もあります。筆者はリビング横のピアノ部屋の照明をスマート化したくてスイッチボット電球を購入してみました。

「アレクサ、ピアノ始めます」で照明がつくようにしましたが、子どもたちは音声操作に慣れておらずリアルスイッチを押してしまうことが頻発。

かくいう筆者もスイッチでつけることにすっかり慣れていたので、何度もスイッチで消して音声操作不可の状態にしてしまいました。そのような生活は逆に不便だと思い、結局ピアノ部屋の照明をスマート化することはやめました。

 

その代わりに寝室にスマート電球を設置。こちらもリアルスイッチでうっかり操作してしまうこともありますが、寝るときに「アレクサ、電気消して」で、眠りにつけるのはとてもいいなと思っています。

 

スマートホーム化にはコンセント計画が重要

筆者宅はコンセント計画を失敗しており、コンセント位置に関してはあちこちに後悔があります。スイッチボットはコンセントに常時接続が必要なものがいくつかありますので、使用を想定したコンセント計画を行うとよいと思います。

これから家を建てる人は、スマートホーム化するための常時接続用のコンセントを想定して、計画した方がいいかもしれません。

家電をスマホや音声で、いつでもどこでも操作できる便利さは、一度体感すると戻れなくなります。アレクサで音声操作する子どもの姿もほほえましく、導入してよかったなと感じています。