フランス料理のシェフから家政婦に転身し、気軽でおいしい家庭料理レシピが大人気のタサン志麻さん。

そんな志麻さんのレシピには、いつもの料理が簡単においしくなる工夫が満載! 今回のレッスンテーマは「ササミフリット」です。

志麻さんの「ササミフリット」。サクッとおいしくなるコツ

食材の値上がりが続く中、比較的お手頃に買えるササミは家計の強い味方。ここでは、そんなササミを使った揚げ物レシピと、おいしくつくるコツを志麻さんに教えてもらいました。

<ポイント1>揚げ物は少ない油でOK

揚げ物を敬遠しがちな人も多いですが、「油の処理が大変そう」「油をたくさん使うのがもったいない」など、おもに“油の量”が理由であることが多いようです。

その問題はすべて、“揚げ焼き”が解決。たいていの揚げ物はソテーと同じ程度ですませます。衣に油がまんべんなく当たってさえいれば、おいしそうな揚げ色がちゃんとつくので大丈夫。

<ポイント2>できるだけいじらない

揚げ物をきれいに仕上げるポイントは、“できるだけいじらないこと”。いじるたびに油の温度が不安定になり、何回も低温になることでベチャッとして、揚げ色もうまくつかないのです。

<ポイント3>衣に炭酸水を入れると、サクサクに

衣に炭酸水を入れると、サクサクになります。菜箸で混ぜるとダマになりやすいので、粉と炭酸水を混ぜるときには泡立て器を使ってさっくりと。

小麦粉と炭酸水だけの衣は、揚げているうちに下に落ちてしまうので、上に残りの衣をのせてから裏返します。

<ポイント4>フリットは、油をやや多めに

衣がゆるく広がりやすいフリットは、パン粉をつけたフライよりも油を吸うので、油はやや多めに。また、フリットは衣に色がつきにくいので、揚げ上がりの判断は衣の乾き具合をチェックしましょう。

●ササミフリット

サイズ感が最高! スナック感覚でパクパクつまんで。

【材料(4人分)】

鶏ササミ(筋なし) 6〜8本
塩 適量(肉の重量の0.7〜0.8%)
コショウ 少し
カレー粉 適量
小麦粉 大さじ2
サラダ油 大さじ4
A[小麦粉60g 炭酸水1/2カップ]
レモン(くし形切り)、サラダ菜(ちぎる) 各適量

【つくり方】

(1) ササミはひと口大に切る。両面に塩、コショウ、カレー粉で下味をつける。全体に小麦粉をまぶす。

(2) フライパンにサラダ油を入れておく。

(3) ボウルにAを入れ、泡立て器で粉気が残る程度にさっくり混ぜて衣をつくる。

(4) (2)のフライパンを中火にかけ、温まったら(1)に(3)の衣をからめて、揚げ焼きにする。肉の周りが乾いて白くなったら、余った衣をそれぞれにのせ、上下を返して中まで火をとおす。

(5) 器に盛り、レモンとサラダ菜を添える。

<ポイント>

カレーの風味を生かしたいときは肉の下味に入れる。少し薄めたいなら小麦粉と一緒にまぶす。

計量単位は1カップ=200ml、大さじ1=15ml、小さじ1=5ml、1合=180mlです

『志麻さんのベストレシピ 料理のきほん編』では、「これだけは覚えておいてほしい」という志麻流“おいしい”をつくる20のルールを紹介しています。

また、現在発売中の『à table SHIMA vol.04 春号』(扶桑社刊)では、タサン家のデイリーごはんレシピをたっぷり掲載。定番料理やフランス人も大好きなジャガイモレシピ、新タマネギやアスパラを使った春レシピなど、楽しい特集が盛りだくさんです。